巷に流布される「体にいいこと」を試してみたけれど、たまった疲れはまったく取れない。正しいと信じていた習慣が、実は効果ゼロなんてことも……。今、間違いだらけの習慣を総点検し、疲れない体になろう!

◆誤ったリュックサックの背負い方が深刻な肩凝り腰痛を引き起こす

 スーツに合うデザインの商品も増え、今やリュックサックで通勤しているビジネスマンも珍しくなくなった。重い荷物も軽く感じ、通勤も疲れなくなったような……。

 ところが、整形外科の銅冶英雄医師によると、リュックは肩凝りのもとだという。

「重いリュックを背負うと体が後ろに引っ張られますから、重心を保つために頸椎つまり首が前に出ます。その負荷から頸椎を守ろうとして、周りの筋肉が緊張した結果、肩凝りになるんです」

 さらに影響は腰にまで広がっていく。

「背骨は本来、自然なS字カーブを描いているものですが、リュックの過剰な重みがかかると猫背になります。その状態が続くと、人間の背骨を構成する24個の椎骨の間にある緩衝材の軟骨(椎間板)にダメージが蓄積されます。特に、重みがかかる下方の背骨に影響が出やすいのです」

 背骨に偏った圧がかかると椎間板の中身のゼリー状の成分がジワジワずれていき、痛みを生じる。それがとうとう背骨回りの神経を圧迫するところまで飛び出したのが、椎間板ヘルニアだ。

◆荷物は3㎏以下

 椎間板は血流が少ない組織ゆえ、損傷すると治りにくい。痛みを長引かせないためにも、そもそも傷がつかないようにするのがベストだといえよう。

「どうしてもリュックを使うなら、両肩にかかるベルトをしっかりと締めること。ベルトをゆるめて背負う人が多いですが、体幹との距離ができてしまってよい姿勢を取りづらいです。

 着脱のときに窮屈さを感じるくらい、ベルトは短くして背中に密着させましょう。リュックを購入する際には普段持ち歩いている荷物を入れ、実際に背負ってみるのがおすすめです。中に入れる荷物の重量は、3㎏以下に抑えるのがいい」

 ビジネスマン諸氏は、健康と仕事の効率の両面から、不要な荷物をカバンに入れていないか見直すべきだ。

◆<まとめ>

★GOOD……荷物は3㎏以下。背中にリュックを密着させる

★BAD……リュックと背中に隙間ができるほどベルトをゆるめる

【整形外科医 銅冶英雄氏】
自身が20歳の頃からぎっくり腰に悩んでいた経験を生かし、運動療法や栄養療法によって痛みを根本からなくす治療法を伝えている

<取材・文/鶉野珠子(清談社)>

―[さらば![疲れるカラダ]]―