◆12月に気分が落ちるワケ、専門家の見解

 12月は一年の締めくくり。気持ちよく新年を迎えるために、仕事、プライベートの双方で準備に追われがちだ。そんな慌ただしい時分を反映してか、気になる調査結果が出ている。ゼネラルリサーチ株式会社が全国20代〜50代の男女3000人を対象に、メンタルヘルスに関する調査を実施したところ、「一年で最も気分が落ち込む月は12月」という結果が出たのだ。「せたがや内科・神経内科クリニック」院長の久手堅司先生は、この調査結果について次のように考察する。

「12月は仕事納め、忘年会などイベントも多く忙しい時期。さらに、今年中に終わらせないといけない、来年に持ち越せられないという日本人特有の生真面目さ、余裕のなさが起因となってストレスを感じがちです。ストレスがあると睡眠にも影響しますので、メンタルや体の不調が起きやすいといえるのではないでしょうか」

 また、12月の気候も気分を暗くする要因になるという。

「寒いと活動量が低下します。人間の体にある自律神経は、寒くなると血流が悪くなり、交感神経にストレスがかかりやすく、体が冷えることで、手足だけでなく内蔵の不調なども訴えやすいです。また、12月は日照時間が短いことも関係します。太陽を浴びると幸せホルモンといわれるセルトニンの分泌が増えますが、日照時間が短いとホルモンのバランスが乱れやすい。冬期うつ病といって、うつではないのですが、冬場によく起こる季節性感情障害は、寒さと連動するわけです」

◆「寒くて動けない」で状況は悪化

 12月特有のメンタル不調、どう対策すべきか。

「寒さで自律神経の働きが悪くなることは前述しましたが、やはりウォーキングでもジョギングでも、適度に体を動かすことが大切です。運動して脈拍があがり呼吸もあらくなることで、人間の体温を調整する自律神経の働きがよくなります。デスクから立ってストレッチをする、エレベータを使わずに階段を使うなど、少し汗をかく、息が上がる程度でかまいません」

 年末の納期に追われ、デスクワークが続けば交換神経が緊張モードとなり、不眠、肩こり、首こりにもつながる。そして、メンタル不調を防ぐために特に重要となるのが食事。

「大切なのは腸です。脳腸相関といわれるとおり、腸の状態がいいと脳の働きもよくなる。逆に腸の状態が悪ければ、脳を経由して体全体の不調につながります。脳の働きとはすなわち自律神経の働きの安定を指します。自律神経の働きがよくなると、発汗や体温をうまくコントロールできるため、寒い冬に血流が悪くなることを防ぎます」

◆毎日ヨーグルトをオススメするこれだけの理由

 腸内環境を整える食事としてオススメなのがヨーグルトだという。

「ヨーグルトのほか、納豆、チーズ、バナナなど、どれも腸にとって良い食材といわれていますが、手軽に摂取しやすく、習慣をつけやすいという点でヨーグルトがオススメです。乳酸菌が腸内細菌を活性化してくれるのはもちろん、たんぱく質、乳酸菌、ビタミンB群、ミネラルなどが含まれているので、効率的に栄養摂取できます」

 間食にもデザートにも適していて、毎日食べるにはもってこいのヨーグルト。また、忘年会や仕事の忙しさで睡眠が乱れている人、週末やその日の終わりに気分が落ち込みがちな人には“夜ヨーグルト”を試してみるのも良いという。

「午後10時から午前2時は腸のゴールデンタイムと呼ばれていて、腸の修復が行われています。腸のゴールデンタイムに向けて、夜にヨーグルトを食べると、乳酸菌の働きで腸内環境が整えられ、よい睡眠に導いてくれます」

 ヨーグルトを日々の食習慣に取り入れ、ふさぎこみがちな12月を乗り切ろう。

久手堅 司
くでけん・つかさ。せたがや内科・神経内科クリニック院長。医学博士。気圧予報・体調管理アプリ「頭痛ーる」監修医師。「自律神経失調症外来」などの特殊外来を立ち上げ、「気象病・天気病外来」ではこれまで5000名を超え、患者目線で行う診察とわかりやすい解説がSNSやメディアで話題。著書は『気象病ハンドブック』(誠文堂新光社)、『最高のパフォーマンスを引き出す自律神経の整え方』(クロスメディア・パブリッシング)

<取材・文/日刊SPA!取材班>