ついに迎えた大一番。

 サッカーW杯カタール・ドーハ大会は、予選リーグの最終節。日本代表は第2戦のコスタリカに敗れ、現地時間12月1日午後10時(日本時間2日午前4時)に行われるスペイン戦に2大会連続の決勝トーナメント進出への望みをかけることとなった。

◆各国サポーターから叱責。「ドイツ戦は最高だったけど、コスタリカ戦は最悪だったなぁ」

 現地ではコスタリカ戦の敗戦を受け、ドイツ戦で上がりに上がった「日本株」が急落。他国サポーターや街ゆく人から「どうしちゃったんだ、ジャパン?」「ドイツ戦は最高だったけど、コスタリカ戦は最悪だったなぁ」などと、容赦ない意見を頂戴している。

 やさぐれた心を静めるべく、記者は連夜の酒場放浪。「酒が飲めない」と言われていたカタールだが、あるとこにはあるもので、外国人が多く集まるホテルには大抵バーがあり、そこでは1杯2000円程度ながら生ビールも。財布と相談しながらチビチビと酒を舐める日が続いている。

 そこで見るのはやはりテレビでのW杯中継。スポーツバースタイルの店内では、生中継で試合がみることができ、他国のサッカーファンとともに、居酒屋談義に花を咲かしている。

◆試合前に流れるある映像に釘付け

 テレビでの試合の中継の直前、必ず流れる映像がある。それはパンダが今から行われる対戦国の国旗のどちらかを選び、勝敗を当てるというもの。古くは「タコ占い」が有名で、ドイツのマダコ・パウル君が2010年南アフリカ大会のドイツ代表の決勝まで勝敗をすべて的中させたことから、このスタイルの「占い」に人気が集まった。

 実はカタール・ドーハには2頭のパンダがいる。W杯開催を記念して、この10月に中国政府から贈られたオスのスハイル(4歳)とメスのソラヤ(3歳)だ。中国は今大会は出場しないが、カタールの天然ガスの主要輸出先で、中国は大会のインフラなどを担っていることもあり、その強固な関係をアピールするものとみられている。

◆砂漠で暮らすパンダに会いに行くも叶わず

 中東初のパンダにカタール政府は、冷房完備の世界最大級の巨大なパンダ舎を建設。W杯期間中に一般公開されており、記者も公共交通機関などない、北部の街・アルホールまでクルマを飛ばしたが、なんと完全予約制で当日見学不可。灼熱のなか巨大なパンダ舎のみを写真に収めるという、あるまじき失態を犯した。

◆現地のテレビで流れる「パンダ占い」

 そのパンダ、なんと毎試合勝敗占いをやっている。これは現地の放送でしか見られないのだが、試合開始直前、パンダのアニメが流れたと思ったら、突然、檻のなかの実物のパンダが登場する。

 舎内をうろうろするパンダ。窓に貼られた対戦国の国旗の前を横切ったと思ったら、やおら立ち上がって国旗をタッチするーー。

 日本では「国民的アイドル」級のパンダに「占い」をさせるとは……最初に見たときはギョッとしたが、殺伐とした試合の前の癒やしとして楽しく見ていた。

◆気になる的中度は?

 気になるのはその「的中度」。記者が現在宿泊している悪名高き1泊3万円コンテナ宿にはテレビがないので、スポーツバーで「パンダ占い」に遭遇したときのみの集計になるが、結果は以下の通り(画面に映った国旗の並びで表記)

11月23日 ベルギーvsカナダ
⇒パンダはカナダと予想
結果 1-0でベルギー勝利(ハズレ)

11月29日 エクアドルvsセネガル
⇒パンダはセネガルと予想
結果=1-2でセネガル勝利(的中)

11月29日 オランダvsカタール
⇒パンダはカタールと予想
結果=2-0でオランダ勝利(ハズレ)

11月30日 ポーランドvsアルゼンチン
⇒パンダはアルゼンチンと予想
結果=0-2でアルゼンチン勝利(的中)

11月30日 サウジアラビアvsメキシコ
⇒パンダはメキシコと予想
結果=1-2でメキシコ勝利(的中)

 5試合で的中率6割である。しかし、記録用に撮った映像を見直して気づいたことがある。実はパンダはすべての試合で、画面右の国旗にしか触っていないという事実だ。しかも2国の国旗の間でうろうろするといった逡巡の様子も見せず、ガバっと画面右の国旗にタッチしているのだ。

 惜しむらくは、日本戦2試合は記者はスタジアムで見ているので、パンダがテレビでどういった占いをしたのかを確かめる術がないことだ。

 今日のスペイン戦でも必ず「パンダ占い」が行われると思うが、願わくば右に日の丸を配置してほしい。そしてパンダ飼育の先達でもある、日本の勝利を後押ししてほしい。

 輝く星からその名を取っているというスハイル、ソラヤ、白星を日本につけてくれ!!

取材・文・撮影/遠藤修哉(本誌)

―[FIFAサッカーワールドカップカタール大会]―