30年ぶりの円安で海外へ出稼ぎに出る日本人が急増している。だが、高賃金を得られる一方で生活コストがかさむリスクもある。成功の鍵は何なのか? 日本人の出稼ぎ増加を専門家はどう見ているのだろうか。

◆専門家は出稼ぎ増加をどう見る?

「ワーホリキャア.com」を運営する平渡淳一氏と、経済評論家の加谷珪一氏は出稼ぎをどう見ているのか。

「日本の円安が進めば、海外で高収入を得たい人はさらに増えます」(加谷氏)

「ワーホリ期間を終えたらそのまま就労ビザをもらい、帰国せずに現地の生活を希望するのでは」(平渡氏)

◆日本人を受け入れる環境は変化する?

 ますます海外出稼ぎが増えると予見する2人。一方で日本人の就労者を受け入れる環境は変化するのか?

 加谷氏は「専門スキルがない限り、単純労働で働く人が大半」とし、平渡氏も「日本人は外国人とのコミュニケーションが苦手で、本格的な英語が必要な仕事だとすぐ辞めることを危惧している」と、現状は歓迎ムードではないと明かす。

◆専門家たちの提言「出稼ぎで得た経験は日本でも活かせる」

 最後に、出稼ぎの今後について2人から提言が。

「優秀な人材を流出させないために日本企業の労働環境の改善は必至」(加谷氏)

「日本のインバウンド需要も高まっています。出稼ぎで得た外国人への接客経験を日本のホテルや飲食店で生かせればよい」(平渡氏)

 海外出稼ぎの増加は将来の日本経済を左右しそうだ。

【平渡淳一氏】
「ワーホリキャリア.com」代表。居酒屋FC事業の国内外での運営を経て、現在は留学やワーホリ経験者に特化した人材紹介サービス「ワーホリキャア.com」を運営

【経済評論家・加谷珪一氏】
記者、投資ファンド運用会社に勤務後、中央省庁などのコンサルティングに従事。著書に『お金持ちの教科書』(CCCメディアハウス)

取材・文/週刊SPA!編集部 イラスト/ほししんいち

―[[海外出稼ぎ日本人]成功の法則]―