◆孤独の中でしか、人間は思考できない
不安遺伝子保有率が8割を超える日本人は、世界で最も不安を感じやすい。そのせいか、孤独を恐れ、必要以上に群れたがる日本人は多い。
・誰かと同じで安心する
・学校や会社、国に依存する
・人の顔色ばかり見て行動する
・外したくてもマスクをつけ続ける
・流行りの洋服や音楽だけ追いかける
・馴染めないと不安障害やうつ病になる
思考停止と没個性。人間は、1人でしか「思考」も「選択」もできないはずだ。それなのに、群れの中に紛れているうちに本来の「個」を見失ってしまっているのだ。
孤独は、孤独死から連想される、他者から拒絶される「寂しくて惨めなもの」ではない。孤独は『孤独のグルメ』から連想される、他者に本当の自分をぶつける「自由で堂々としたもの」だ。
僕たちは1人になって初めて、自分の眼で視て、自分の心で感じて、自分の思考で考えて、自分で道を敷くことができる。
当然、何か新しいことをすると、無視されることだって、失望されることだってある。でも、それは自分が道の最端に立っている証なんだから、自分の感性を信じて良いし、自分の慣性を誇って良いし、自分の完成を願って良い。
だから勝ち組は「自分」を信じ、負け組は「空気」を信じる。
「人間は、考えることは1人でしかできない。1人になって自分を見つめ直すことで人との繋がり方を見出すことができる。それを唯一可能にしてくれる孤独が寂しいんですか。僕の経験では『孤独は嫌だ』という人の共通点は本を読まないこと」(林修)
◆何も考えずに、ただ群れ続ける人生はやめよう
周りを見渡せば、群れから離れて傷つくのが嫌で、多数決を美徳として生きている人がとても多い。しかし多数決で「改善」は起きても、「革新」は起きない。
ほとんどの会社・学校・地域・国が潰れる現代において、創造性を殺した無難な選択をしても、ジリ貧になるだけ。得点を決めるには、結局は、勇気あるエゴイスト1人に頼るしかない。
僕が起業するために独立したときも、1人だった。1人だったからこそ、独立的で、独善的で、独創的でいられた。だから「世界を巻き込む医療AI革新を起こす」という僕のビジョンには、多くの仲間・投資家・病院・提携先が惹かれ集まってくれた。それまでの1年8か月間の無給・無休生活はとても苦しかったが、僕は自分で道を敷いたことを一生誇りに思う。
何も考えずに、ただ群れ続ける人生はやめよう。希望は「感情」ではなく「意志」なんだから、一歩踏み出せば「なりたい自分」になれるさ。
「意志もまた、一つの孤独である」(アルベール・カミュ)
◆孤独の中でしか、人間は成長できない
「人と違う人間になること」が成長だとするならば、孤独なくして成長はあり得ない。己と向き合い、研鑽を積み、結果に責任を取る。つまり「制約」と「誓約」を課すことで、人は成長できるのだ。
・毎日5km走る
・毎日5時に起きる
・毎月10冊読書する
・年内に1,000万円稼ぐ
・年内に英語マスターする
・一生お酒とタバコをやめる
このように行動を「制約」することで、迷いを断ち切り目標を達成できる。さらに破ったときのペナルティも「誓約」すれば、より己を律しやすいだろう。だから『HUNTER×HUNTER』のクラピカは、「幻影旅団にしか技を使えない」という制約と「幻影旅団以外に技を使えば命を落とす」という誓約を課しているのだ。
友達と戯れていても、願望が叶うことはない。孤独を恐れず、自分の世界に没頭してやっと、なりたい自分に近づく。成長したければ、馴れ合うのをやめて、自分磨きに徹しよう。
毎日友達と同じような雑談をして、毎日友達と同じような授業を受けて、毎日友達と同じようなテレビ番組やYouTube動画を見て、「人と同じこと」を繰り返しているのなら、成長できるはずがない。
成長したければ、この世界に生まれた意味を考えて、「人と違うこと」をするしかない。だから勝ち組は「オンリーワン」を目指し、負け組は「ワンオブゼム」を目指す。
「狂気とは即ち、同じことを繰り返し行い、違う結果を期待すること」(アルベルト・アインシュタイン)
実際に脳科学的にも、孤独な人ほど空想・回想・創造などを司る脳領域の接続性が高いことが分かっている(マギル大学の神経学者Danilo Bzdok氏らの研究)。長期的に社会的経験が減る分、脳内活動が活発になるので、脳内ネットワークが向上し創造力が豊かになるのだ。
孤独を恐れる必要はない。精神的に自立し、人より「新しい景色」を迎えに行こう。
「独生独死 独去独来」(釈迦)
◆孤独の中でしか、仲間はできない
「共通目的を達成するために集まった人」が仲間だとするならば、孤独なくして仲間は得られない。強みを確立し、やりたいことを見つけ、協力して成し遂げる。つまり「目的」と「役割分担」の元で、仲間は集まるのだ。
・東大合格を目指す
・甲子園優勝を目指す
・投資利益10億円を目指す
・開発途上国の経済と社会の発展を目指す
・地球上で最高の製品を作って豊かな社会を目指す
・医療AIでみんな健康かつ笑顔で暮らせる社会を目指す
このように同じ「目的」を果たすべく、各々が「役割分担」して力を合わせてこそ、大きな目標は達成できる。だから『スラムダンク』の湘北高校には、「全国制覇」という共通目的に惹かれた仲間が集い、各々がポイントガード・シューティングガード・スモールフォワード・パワーフォワード・センターという「それぞれのポジション」で役割を果たせたのだ。
仲間は多く必要だが、友達は数人だけでいい。本当の親友を除けば、無理して価値観を合わせて、ただ集まって騒いで何も生み出さない関係だからだ。愛せないなら、ライフステージが変わればすぐ疎遠になる「通り過ぎ」でしかない。
友達は増やしても意味がない。それよりは、リスペクトできてお互い成長し合える、優秀な仲間の方がずっと大切だ。だから勝ち組は「仲間」を増やし、負け組は「友達」を増やす。
「友達は要らない。友達を作ると人間強度が下がるから」(阿良々木暦『化物語』より)
起業家ジム・ローンの「あなたの周りの5人の平均があなたである」という言葉のように、僕たちは周囲から絶大的な影響を受けている。周りに肥満の人が多いと肥満になりやすいし、勉強が苦手な人が多いと勉強が苦手になりやすいし、成功者が多いと成功しやすい。要は人生において、付き合うべき人とそうでない人の選別は、とても重要なことだ。
さあ、友達ごっこをする羊の群れから抜け出して、孤独な一匹狼になろう。一匹狼は、別の一匹狼を見つけて仲間にし、新たな集団を作る。そうやって、仲間と一緒にデカいことを成し遂げた方が人生は楽しい。
勇者とは、勇気を持って一歩を踏み出す者。
勇者よ、パーティを組んで「魔王」を倒せ!
「運命は勇者に微笑む」(羽生善治)
文・写真/東大AI博士カリス
【東大AI博士・カリス】
1993年、韓国生まれ。16歳で東京大学に合格。日本政府から天才認定(学生としては初めて、研究業績だけで永住権を取得)を受ける。博士(情報理工学/東京大学)。英・ケンブリッジ大学/独・ミュンヘン工科大学/伊・ミラノビコッカ大学で訪問研究。⽇本トップレベルの医療AI研究者であり、「みんな健康かつ笑顔で暮らせる社会」を実現すべく、医用画像データプラットフォームを手がけるCallisto株式会社を創業。YouTubeチャンネル『カリス 東大AI博士』にて、科学的勉強法・科学的思考法・AIなどについて配信中