外食する時にあると嬉しいサービスが、好きな物を心ゆくまで堪能できる「食べ放題」です。赤字サービスのように思えて、実はしっかりと利益を出す仕組みが構築されているのが特徴のひとつ。
 食べ放題はお客様にはお得感があり、お店側には一定の利益が見込めるため、双方にとって嬉しいサービスなのです。そのため、食べ放題を主力サービスとして展開している飲食店も多々あります。

 包み焼きハンバーグでお馴染みのファミリーレストラン「ココス」も、朝食バイキングを開催しているのをご存じでしょうか? この記事ではココスの知られざる朝食バイキングの様子を紹介していきます。

◆ココスの朝食バイキング

ココスは全国513店舗のうち150店舗以上で、「朝食バイキング」を提供中。常時30種類以上の料理が並び、季節感のあるメニューや日替わりメニューが用意されているのです。

 朝食バイキングは、「毎日」実施している店舗と「土日祝」のみ実施している店舗に分かれています。毎日実施している店舗では、「平日」と「土日祝」の区部による価格の違いもあります。毎日実施している店舗の値段は以下の通り(価格はすべて税込み)。

・平日:803円
・土日祝:913円

 土日祝のみ実施している店舗の値段は一律913円です。また、東京都や神奈川県の店舗に関しては「平日」「土日祝」の値段に55円プラスされた価格設定になっています。小学生以下の子どもは一律528円で、3歳以下は無料です。

◆予約なし、おひとり様でも利用できる

 さらに利用時間の詳細は以下の通りです。

・受付開始は7:00〜10:00まで
・料理の利用最終時間は10:30まで
・お会計から最大90分の利用が可能
・店内利用は11:30まで

 予約なしで、おひとり様でも問題なく利用できます。

 今回、訪れたのは足立区エリアにある店舗。店内は、平日の朝7時という早い時間帯にもかかわらずファミリー層で賑わっていました。子供たちが並べられた料理を前に楽しそうに選んでいる姿が微笑ましい。

◆気分が高まるバイキングコーナー

ココス ずらっと並べられた料理を目の当たりにすると気分が高ぶって、「バイキングに来たぞ」って気持ちがより沸き上がります。まずは、ココスオリジナルの4種類のパンがお出迎えしてくれました。この日あったのはクロワッサン、パン・オ・ショコラ、ソフトフランス、メイプルブリオッシュの4種類です。

 オーブンレンジが設置されているので、お好みの焼き加減に調整できます。また、バターやジャム類も揃っているため、味の調整も可能です。

ココス 主食となるご飯コーナーは、定番の白米から「鮭の混ぜご飯」と「モーニングカレー」が用意されています。どちらも食べたくなるメニュー。

ココス トマトやブロッコリーなど彩り豊かな野菜が並んでいました。デザートには「ヨーグルト」や「赤ぶどうゼリー」が用意されています。

ココス おかずコーナーは、朝ご飯には欠かせないメンバーが揃っていました。「スクランブルエッグ」に「ソーセージ」や「サバの味噌煮」など。生卵と納豆もあり、和風と洋食のどちらでも楽しめます。

◆なぜか揚げ物だけ凝った演出が

ココス なぜか、揚げ物だけ凝った演出がされていました。他のおかずとは違い容器に入っておらず、オレンジ色のライトに照らされた場所に設置されていて存在感があります。実はこれ、ヒートウォーマーの光が照らされていて、常にあったかい状態で食べられるようになっているのです。

ココス 自分でワッフルを焼くコーナーもありました。完成した物を選んで食べるだけのバイキングではなく、自ら作る楽しみを味わえるのはココスならではではないでしょうか。

ココス ドリンクバーはエスプレッソマシンやフルーツジュースが揃っていて充実しています。驚いたのが、茶葉で飲むタイプの品揃え。「白桃紅茶」や「桜&ベリーティー」などあまり見かけないものまで幅広く用意されていました。

◆これは!もはや炭水化物の祭りだ

ココス モーニングカレーは、ドロッとした野菜と豚肉の旨味が溶けだしています。子供でも食べられるように甘めの味付けになっています。そのため、まろやかな口当たりです。

 鮭の混ぜごはんは、魚介特有の臭みはないものの、やや薄めの味付け。しかしながら、食べ進めるうちに、ほのかな鮭の塩味が効いてきます。あっさり味のご飯なので、おかずとの相性は良いです。

ココス これはずるい!と思わず言葉が漏れてしまったのは「お茶漬けお出汁」のサービス。鮭の混ぜごはんを一度で二度楽しめるならばやらないのは損ですよね。お出汁を注ぐと一気に魚介の香りが漂ってきます。心を無にしてサラサラとかき込めば口の中に海の味わいが広がりました。

◆焼きそばは濃すぎず、薄すぎない味わい

ココス 具材にソーセージの輪切りが入っているパワフルな焼きそば。ソースが濃すぎず、薄すぎない安定した仕上がりになっていて、庶民的な味わいでした。

ココス パンからは「クロワッサン」「パン・オ・ショコラ」「メイプルブリオッシュ」の3種類をチョイスしました。

 クロワッサンは、外がパリパリで中はふんわりとしたメリハリのある食感。あとからバターの塩味が広がって、口の中を上品な味に変えてくれます。パン・オ・ショコラは、デニッシュ生地のザクっとした独自の歯応えが心地良い。そして、中からビターなチョコが現れて、濃厚な甘さを与えてくれました。

 メイプルブリオッシュは、モチっとした優しい食感と口元がほころぶような甘さが印象的です。

◆欲張って盛り過ぎに注意!

ココス 揚げ物は「ししゃも」と「ポテトフライ」でした。ポテトフライは、スパイシーな濃いめの味付け。味が濃いからお酒のつまみになる逸品です。

 意外と珍しいと思ったのが、ししゃもの揚げ物です。噛むと中からプチプチと弾ける魚卵が登場。衣のサクサク食感と相まって、歯切れの良いリズムを与えてくれます。

ココス「スクランブルエッグ」と「生卵」は、どちらもモーニングで食べたくなるメニューです。卵が重複してしまいましたが、味や食感が違うのでセーフでしょう。スクランブルエッグは箸で掴もうとすると逃げるようなふんわり食感でした。

 サバの味噌煮は甘辛く煮詰められており、ご飯と非常に合う家庭的で優しい味です。「ミートボールとナスの煮たもの」は、ナスが出汁をヒタヒタになるくらい吸い込んでおり、旨味が染み出てきます。朝ごはんに相応しい滋味深い味わいでした。

◆初挑戦!自作のワッフル作り

ココス 数あるメニューの中から好きなものを選ぶのがバイキングの醍醐味。しかし、自分で好きなように作り、トッピングできるサービスを織り交ぜているのは面白いです。作るのは簡単、すでにワッフルの元が用意されているため、専用プレートに乗せて焼くだけ。

ココス 作る手順が親切に書いてあるので迷いません。ワッフルの元をすくってプレートに広げずに乗せます。

ココス 上から蓋を閉じて1分待てば出来上がりです。

ココス 詰めが甘く、しっかりと端の部分まで行き届いていなかったようです。しかし、初めて作ったにしては上出来な仕上がりだと思います。

ココス 素材の甘さが効いたビターなワッフルです。自分で作ったものは美味しさが倍増します。味付けはトッピングで好きなようにカスタマイズできるため、オリジナルの一枚を作れるでしょう。

◆アレンジすれば楽しみ方は広がる

ココス ココスのバイキングには、30種類近いメニューが用意されていました。毎日通っても飽きないように季節のモノや日替わりメニューで変化を楽しめます。

 しかも、ただ並べられた料理を選ぶだけではなく、自分でワッフルを作れる点はココスならではの特徴と言えるでしょう。用意された料理を組み合わせればアレンジの幅も拡がり、楽しさも膨らみますね。

 朝の時間帯だけのバイキングではあるものの、価格は1000円以下とリーズナブル。財布に優しい心遣いを感じられたココスのバイキングでした。

<取材・文・撮影/みくた>

※本記事に登場するメニューの価格は、すべて取材時点のもの。店舗によってモーニングの値段・内容は異なります



【みくた】
元プロレスラー。現在は文章で人を魅了するためにライターとして活動中。溢れ出す食への探求心から年間100件近く食べ歩き。マスクの下に隠す素顔はいかに... X(旧Twitter):@UrumantoN