グローバル化がますます進み、英語力が求められるケースが増えてきた。国内でも人手不足から外国人労働者を受け入れる会社が増加しており、インバウンド需要が回復するにつれて外国人を相手にする機会も増すだろう。
英語力を伸ばせばキャリアアップが見込めるが、「いまさら勉強しても……」と足踏みする中年男性は多いはず。そこで、これまでに2700人の生徒を指導した「TORAEL」竹末研一氏に英語の学習方法を教わった。

◆英語を学ぶのは歳を取ってからでも遅くない!

「歳を取っているほうが英語学習にプラスに働くこともある」と力説する竹末氏。事実、彼の生徒の中には40代、50代になってから英語力を伸ばした人も多いという。

「生徒さんの中には50代から学習を始めて、アメリカでマーケティングに関する英語講演を成功させた人もいます。ミドル世代は社会経験が長いぶん、単語がわからなくても推測や知恵で細かいニュアンスが分かるという強みがある。

それに年の功で言い換えられるレパートリーも増えていますし、総合的な理解力が上がっているはず。こうした能力で、歳を取ると低下しがちな短期間での記憶力や瞬発力を補えます。

また、若いときよりも自分のコントロールができて粘り強くなっているのも、英語を学習するうえで武器になります。学習を続ければいずれ当たり前にすることができますし、キャリアアップなどの目的がはっきりしていればしているほど継続できると思います」

◆日本人が英語を学習するうえでハードルになるのは…

英語を学習するうえで年齢は問題にならないものの、日本人ならではのハードルは存在するという。

「英語は日本語と構造が違います。文法の概念がわかるまで苦労すると思いますし、たとえば文法がひと通り分かっても長文になると難しい。学生時代の英語への苦手意識が、メンタルブロックになるケースも考えられる。よくある教科書のシチュエーションは、正直つまらないので、それで続かない人もいるでしょう」

だが、ハードルを受け入れたうえで、英語の学習で重要なことを認識すれば、英語力を伸ばしやすい。

「まずは英語の原理原則を理解すること。といっても難しいことではなく、実は中学英文法とちょっとの高校英文法を理解すれば大丈夫です。私の指導では、A4版で6ページほどにまとめたもので学習してもらっています。6ページなので2日で学習できます。この文法を理解しないまま勉強を進めても、英語力を伸ばすことは難しい。自分は何ができないかを見える化したうえで、モヤモヤしたものをそのままで終わらせないようにしてください。

文法を理解したら英語の精読を繰り返すといいでしょう。日本人は高速で正確に読めない方が多いです。高速で正確に読めるようになるとリスニング力も急伸します。ハッキリと語順通りに精読し、理解することを心がけてください。

英字新聞を読むのもオススメです。表現がパターン化されているので、パズルを解くように楽しめます。英語力が伸びれば内容を理解できるようになり、楽しみながら読めるのも利点です。勉強をやらされていると考えるのではなく、おもしろい、さらに読みたいという気持ちにすることで、モチベーションも上がって継続しやすいはずです」

◆オススメできない英語の学習方法

AdobeStock_132650898毎日、英語新聞を読むなど、英語にふれる機会を習慣化することが語学力を高める秘訣。それゆえに、習慣化しにくい学習方法はオススメできないという。

「語学学校は習慣化させにくいですし、自宅で学習できるオンライン英会話だと話題作りが難しく、通り一遍の会話になりがちです。また、これらの場所で学ぶときは、先生側に問題があることも。生徒に合わせてくれるネイティブの先生だと、進歩があまりないので時間がもったいない。

文法などの仕組みがわからない状態で、TOEICの本をひたすら解くのもオススメできません。単語の丸暗記や聞き流しも学習方法として耳にしますが、頭を使っていないので役に立たないはず。何より自分がおもしろいと思えないとモチベーションが上がらないので、長続きしないと思います」

◆文法を正しく理解したうえで楽しむのが大事

では、どのように学習すれば英語力を着実に伸ばしていくことができるのか。

「繰り返しになりますが、まずは文法を正しく理解すること。ルールは中学英文法が9割、あとは高校英文法が1割と多くないので、文型、品詞、基本構造をしっかりと理解し、覚える範囲を広げていくようにするといい。英語力が伸びると分かると思いますが、英語はパターン化されたロジカルなパズルなんです。パズルを解くコツさえつかめば、1日15分程度の勉強を継続することで英語力を高められるでしょう」

さらに、モチベーションを維持できるように取り組むことも重要なポイントに。

「英語の学習に限らず、楽しみながら学ぶことができなければ続きません。英語がある程度理解できるようになってきたら、自分の興味のあることや仕事に関係することで英語に触れる機会を作りましょう。本を読むのが好きな方は洋書を読む、映画が好きな方は洋画を字幕なしで観るといい。洋楽を楽しむのもオススメです。洋楽の歌詞は文法の仕組みの宝庫なので、文法を理解していればより楽しむことができますよ」

<取材・文/黒田知道>