都心部に住んでいると、通勤や通学で電車を使うことが多くあり、移動の足としておなじみの存在。ただ、毎日のように使用している多くの人が乗車しているので、さまざまなトラブルに遭遇することもあるはず。
都内の化粧品会社に勤める弓木和恵さん(仮名・26歳)は、東京都で一人暮らしをしているOLで、会社は新宿にあるそうです。普段の通勤だけでなく、仕事でもさまざまな路線を使用しているそうです。

◆地方出身者からすると都心の電車は「異様」

「生まれは東北の福島県で、普段の移動は基本的に自転車か親の車でした。大学まで福島にいたので、上京したときには電車であらゆるところに行けることに驚きました。いまでも乗り換えで戸惑うこともあるのですが、それよりいつ電車に乗っても混んでいるのには慣れませんね……」

なかでも乗客のマナーの悪さは、地方出身の弓木さんにはカルチャーショックだったそうです。

「地元の福島では、知り合いや顔見知りと乗り合わせる可能性が高いので、小さい頃から親にきちんと乗りなさいと教わってきました。なので、田舎ではあまりマナーの悪い乗客を見たことがなくて。でも、都心の電車に乗ると携帯で話している人とか、大音量でイヤホンから音楽が漏れている人、さらには出口付近で頑なに降りずトラブルになっている人などいろいろなおかしな人に出会う。多分、みなさんは電車に乗り合わせる人は一期一会なので、マナー違反をしても良いと思っているんでしょうね。地方出身のわたしから見ると異様な光景で、上京したての頃は本当に電車に乗るのが嫌で仕方なかったです」

◆「足を広げて座る中年男性」にげんなり

都心の電車にあまり良いイメージが無い弓木さん。特に理解に苦しむのが、足を広げて他の乗客をブロックする「オラオラ座り」するオジサンだと話します。

「足を広げたり組んだり、座り方でマナー違反している人が多い印象です。しかも、いわゆる見た感じ悪そうな雰囲気の人ではなく、普通のサラリーマンなどでも、周りを威嚇するかのように座っている場合も……。混んでいる車内でわざとマナー違反をしている中年男性も多く、人間的な器が狭さを感じます」

◆隣に座られても足を閉じず、むしろ…

過去には、足を広げて座っている乗客の隣に座り嫌な思いをしたことがあるといいます。

「一度、あまりに混んでいて足を広げて座っていた中年サラリーマンの隣に、仕方がなく座ったことがあるんです。そのサラリーマンは嫌な顔をして、わたしが座っているのに足を広げるのを止めず、なんならこちらの足を押し込んできたんです。到着駅まで我慢しましたが本当に嫌な気持ちになりましたし、見ず知らずの中年サラリーマンの足が触れているというのも気持ち悪くて……。そんな経験をしたので、足を広げて座っているような勘違い客の隣には座らないようにしています」

◆ラグビー部の学生集団によって成敗されていた

多くの人が迷惑に感じている足を広げて座るマナー違反客。絶対に乗り合わせたくない迷惑客ですが、そんな輩を撃退してくれた貴重な場面に弓木さんは出会ったことがあるそうです。

「仕事で小田急線に乗っていた際、足を広げて座っている50代くらいの中年サラリーマンがいました。夕方で車内は混み合っていたのですが、その客の左右だけ妙にスペースが空いていたんです。みな、嫌な顔をしていたのですが、注意するのも面倒なので知らんぷり。そんな時に、元気な高校生が乗り込んできて。会話の内容的に沿線にある高校のラグビー部らしき5人の生徒が乗り込んできたんです。

その生徒たちはマナー違反の客に気づいたようで、乗り込んできて一目散にその客を囲むように座ったんです。かなり体格が良かったので、オラオラの客は押しつぶされる状態に(笑)。なにか文句を言おうとしている雰囲気でしたが、眼の前に仲間が3人も立っている。高校生とはいえ屈強な男たちに囲まれ、さっきまでオラついていた中年サラリーマンは何も言えず、車内のみながザマーミロと心のなかで笑っていたと思います」

意外な刺客に迷惑行為を止められた中年サラリーマンは、逃げ出すように次の駅で降りていってしまったそうです。

「その迷惑客が降りると、高校生たちはみな席を立って子供連れやお年寄りに席を譲っていた。世直し的な行動に、乗客は心のなかで拍手を送っていたと思います」

仕事やプライベートの憂さばらしなのか、電車の中で迷惑行為をする乗客は令和の時代でも多くいます。ただ、そんな行為をしていると、いつかは痛い目に遭うので辞めたほうが賢明でしょう。

<TEXT/高橋マナブ>

―[乗り物で腹が立った話]―



【高橋マナブ】
1979年生まれ。雑誌編集者→IT企業でニュースサイトの立ち上げ→民放テレビ局で番組制作と様々なエンタメ業界を渡り歩く。その後、フリーとなりエンタメ関連の記事執筆、映像編集など行っている