歌舞伎俳優中村獅童(51)が22日、都内で、全国公立文化施設協会(公文協)主催「松竹特別歌舞伎」(6月30日〜7月31日)の発表会見に出席した。長男、陽喜(はるき、6)くんとの初巡業となり、親子共演への思いを語った。

獅童は開口一番「今日は陽喜いませんから。(報道陣が)たくさん集まっていただいて、陽喜がいると思って来てくださったのでは…」と話し、笑いを誘った。「最近テレビとかでも僕が陽喜と(次男)夏幹のバーターみたいになってる」と苦笑いした。

演目は「中村獅童のHOW TOかぶき」「鞘當(さやあて)」「供奴(ともやっこ)」「橋弁慶(はしべんけい)」。出演者には獅童、陽喜くんのほか中村種之助、中村蝶紫らが名を連ねる。

牛若丸と弁慶の出会いを舞踊にした「橋弁慶」では武蔵坊弁慶を獅童が、来月の「六月大歌舞伎」で、初代中村陽喜として初舞台を踏む陽喜くんが牛若丸役を務める。

“親子共演”に「橋弁慶」を選んだ理由について「陽喜がずっとお稽古で教わっていて、すごく大好きな踊りになっていた」。獅童が陽喜くんの稽古を見ることはほとんどないというが「たまに見てるといけないと思いつつつい口出ししちゃう」と話した。「今はお稽古が楽しくて仕方ないみたい。帰ったら歌舞伎ごっこが始まって、私は音響係をさせられてます」と目尻を下げた。

巡業の楽しみといえば、夜に共演者らと外食することだという。「スナックが好きなんです。いつもいい感じのスナックを3軒くらいピックアップしてもらって、直感で決める。ママが作るお通しとか大好き」と笑顔で明かした。

「スナックで軽く一杯やって帰るのが好き。今回も…、いやだめだ、陽喜がいるから行けない。連れてくわけにはいかない」と苦笑い。「どうしても行きたいときは種之助さんに預けようかな」と笑いつつ、「今回は(陽喜と)ほぼ2人きりになると思うんで、今まで話していないことも話せたらいいな」とほおを緩ませた。

また「中村獅童の HOW TO かぶき」では、歌舞伎ならではの表現方法や約束事を紹介。「小さなお子さまから歌舞伎通の方にも楽しんでもらえる演目をやり続けるのが中村獅童の1つの使命だと思う」とし、「ぜひ私の長男、小さな子どもも出ますから、親子連れ、家族連れで見に来ていただいて。少しでも歌舞伎を身近に感じていただけたらうれしく思います」と語った。

「松竹特別歌舞伎」は6月30日に東京・北とぴあ さくらホールで始まり、7月31日には新潟・新潟県民会館まで上演される。