吉田羊が4月期の連続ドラマで2本主演する。1つは10日にスタートした「生きるとか死ぬとか父親とか」(テレビ東京系)。共演者は松岡茉優(26)、田中みな実(34)らで、彼女たちとの絡みが話題になっている。もう1つは12日に始まる「きれいのくに」(NHK総合)で、稲垣吾郎(47)、地上波ドラマに10年ぶりに出演する加藤ローサ(35)が共演する。

 吉田が地上波ドラマで主演するのは16年10月期の「メディカルチーム レディ・ダ・ヴィンチの診断」(フジテレビ系)以来。主演級の女優が脇に回ったのは、16年4月に「週刊ポスト」が報じた「Hey! Say! JUMP」中島裕翔(27)との密会騒動が遠因になったといわれている。

 当時『Hey!−―』はジャニーズ事務所が強力にプッシュしていたグループの1つだった。そのメンバーとのスキャンダル報道がメリー喜多川副社長(当時)の逆鱗に触れたと、芸能関係者の間で囁かれた。

 筆者も“天の声”を実際に聞いたことがる。中島との密会報道が浮上した数日後、当時在籍していた週刊誌の編集部の会議で担当編集者から「今後一切、吉田羊さんの話は取り上げないでください。良い話も悪い話もです」と指示を受けた。つまり“吉田の話題は完全にスルーしろ”というわけだ。

 この頃、筆者は吉田が“駆け出し女優”時代に住んでいた東京・杉並区阿佐谷のアパート周辺の聞き込み取材をしたり、行きつけの着物古着店の話、イタリアン・レストランの話を拾い集めていた。そこから、おぼろげながら、当時の彼女の生活ぶりや交際相手の輪郭をつかみつつあったが、取材中止の指令によってすべて“ボツ”となった。

 パパラッチに追い掛け回されなくなったことは、吉田にとってありがたい面もあったかもしれない。ただ、芸能人は目立ってナンボ。メディアと世間に無視されることが一番堪える。実際、12本あった吉田の出演CMはみるみる減り、密会報道の1年半後には、12年間在籍した所属事務所も自然解散した。

■吉田羊が流した涙の意味

 その後の吉田の仕事は、単発ドラマや地上波ドラマに出演するとしても、5、6番手が多くなった。あれだけ高い演技スキルを持つ吉田にとって、活躍の場を奪われることは非常に辛かったはず。しかも、女優として脂が乗り、まさにこれからというタイミングだった。

 吉田は昨年、出演したドラマ「恋する母たち」(TBS系)の番宣番組の収録中に突然目に涙を浮かべ、「コロナでどうなるかわからない状況でお仕事がもらえることに感謝」と漏らしたことで、視聴者の注目を集めた。

 あの騒動からちょうど5年目を迎え、ジャニーズ事務所の体制も様変わりし、“禊”が済んだということだろう。吉田の演技力があれば、「失われた5年間」を取り戻すのはあっという間に違いない。

(芸能ジャーナリスト・芋澤貞雄)