【それ間違いかも?ビジネスマナー常識チェック】#62

 5月の行事編

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 今年もゴールデンウイークが始まりました。休暇をうまく合わせると10連休、暦どおりでも後半には4連休があります。お仕事の方、家でゆっくり過ごす方、外出の計画を立てていらっしゃる方、予定はさまざまでしょうが、どうか良い時間をお過ごしになりますように。

 5月の異称は「皐月(さつき)」。田植えが始まる月、早苗(さなえ)を植える月という意味で、「早月」ともいいます。

■八十八夜

 立春から数えて88日目にあたる日。「夏も近づく八十八夜〜」という「茶摘み」の歌にも出てくる日のことで、今年の八十八夜は5月1日です。このころから農家では、農作物の種まきや茶摘みなどで忙しくなります。

「八十八」を組み合わせると漢字の「米」に、また、末広がりで縁起のよい「八」が重なることから、農家ではこの日を特別な日として大切にしてきました。

 また、「八十八夜」に収穫されたお茶は縁起物とされ、そのお茶を飲むと一年間健康でいられるともいわれています。

■憲法記念日(5月3日・国民の祝日)

 1947年5月3日に、日本国憲法が施行されたことを記念する日。

■みどりの日(5月4日・国民の祝日)

 自然に親しむとともにその恩恵に感謝し、豊かな心を育む日。

 89年から2006年までは、昭和天皇の誕生日にあたる4月29日でした。07年に現在の5月4日に移動し、4月29日は「昭和の日」となりました。

■端午の節句、こどもの日(5月5日・国民の祝日)

 昔の中国では、5月5日にヨモギで作った人形を門口にかけたり、菖蒲酒を飲んだりして邪気をはらっていました。日本では田植えが始まるこの時期、田植えの前に、女性たちが菖蒲などで厄よけをし、けがれをはらう風習があり、奈良時代には宮中でも厄よけの行事が行われるようになりました。その後、菖蒲が「勝負」や「尚武(武道・武勇を尊ぶこと)」に通じるとされ、厄よけの行事から、男の子の節句へと変化していったといわれています。

●「登竜門」という言葉があります。そこを通り抜ければ、必ず出世ができる関門という意味で、中国の伝説が基となっています。伝説では、「竜門」といわれる激流を登り切った魚は竜に化すといわれていて、その「竜門」を登り切れたのは鯉だけ。竜門を登った鯉は竜になったということです。そこから鯉は立身出世のシンボルになりました。

 その鯉をかたどった「鯉のぼり」には、こどもの健やかな成長と立身出世の願いが込められています。

(金森たかこ/マナー講師)