「人間は忘れる生き物である」

 哲学者フリードリッヒ・ニーチェの名言だが、東京都知事選(6月20日告示、7月7日投開票)への立候補を表明した立憲民主党の蓮舫参院議員(56)の言葉を聞いて、「ああ確かに」「思い出した」と振り返った人も少なくなかったはずだ。

「伏魔殿といった自民、ブラックボックスの都庁をどう変えたのか」

 蓮舫氏は27日午後2時から党本部で開いた会見で、3期目を目指して出馬濃厚とされる小池百合子知事(71)についてこう切り捨てた。振り返れば、小池氏が初めて都知事選に出馬した2016年当時、「伏魔殿」「ブラックボックス」との単語を多用し、それまでの都政を批判していたのが他ならぬ小池氏だった。

「自分たちの使っているお金の原資は税金なんだという当たり前の感覚が、決定的に欠けていると思いますね」

「どこで誰が何を決めているのか、結局、よくわかりません。石原慎太郎元都知事が『東京は伏魔殿だ』とおっしゃいましたが、私も日々、それを体感しているところです」

 写真週刊誌「フラッシュ」(光文社)の当時の取材では、豊洲市場の盛り土・地下空洞問題や、東京五輪・パラリンピックの高額費用問題について都民目線で語る小池氏の姿があった。

「緑のたぬき」は一体、どこに向かうのか

 待機児童ゼロ、残業ゼロ、満員電車ゼロ、介護離職ゼロ……。「7つのゼロ」を目指すとして知事選に圧勝した小池氏。新型コロナの感染の拡大時には“壮大な無駄遣い”と言われながらも、お台場のレインボーブリッジを赤く照らす「東京アラート」を実施したほか、満員電車ゼロの公約実現に向けた「二階建て電車」構想というのもあった。

 だが、どれも今となっては「絵に描いた餅」に過ぎない。待機児童も残業も満員電車もゼロには程遠い状況と言わざるを得ない。予算が膨らみ続けた東京五輪についても、「一兆、二兆と、豆腐屋じゃあるまいし」と威勢よく切り込んでいたものの、最終的には具体的な改善策がほぼ示されないまま強行開催となった。

 築地市場の移転を巡っても、「築地は守る、豊洲は生かす」と声を張り上げていたことから、多くの都民は築地市場は規模縮小して継続か、仮に移転しても跡地は「世界の金融センター」になるのかと思っていたら、野球場などを含む複合施設になる公算が高い。

《結局、小池都政というのはすべてが思い付きだった。守られた公約はあるのか》

《小池知事は自らが今や伏魔殿の守護神になったことに気付いていない》

 ネット上でも小池都政を振り返る声が上がる中、果たして「緑のたぬき」は一体、どこに向かうのだろうか。