たばこ税と分煙環境整備(上)

 東京都知事選が盛り上がっている。少子化や防災などさまざまな政策課題が争点となっているなか、分煙環境整備を訴える候補者が見当たらないのは寂しい限りである。

 東京23区のたばこ税収入と分煙環境整備予算の実態を調べてみると、ある区の取り組みが突出していることに気が付いた。青山、赤坂、六本木といったオシャレな街と、サラリーマンの街・新橋が共存する港区である。 

 港区の今年度の予算書を見ると、特別区たばこ税(歳入)は52億1249万円。これに対して喫煙所整備補助など分煙環境整備に総額7億1291万円を計上している。内訳は環境費の「みなとタバコルール推進」5億1404万円、「芝地区みなとタバコルール推進」7322万円、「芝浦港南地区みなとタバコルール推進」5490万円など。

 注目は今年度からの屋内喫煙所設置費等助成制度拡充だ。以前から屋内喫煙所を設置する事業者に対する設置費、維持管理費の助成を実施してきたが、今年度から助成対象となる喫煙場所面積の下限を「5平方メートル以上10平方メートル未満」から「2.5平方メートル以上5平方メートル未満」に引き下げた。より狭い面積での喫煙所設置にも対応できるようにしたのである。さらに、屋外密閉型についても「2.5平方メートル以上5平方メートル未満」を新設した。コインパーキングなどでのトレーラー型喫煙所設置をイメージした対応だ。

■今年度から屋内喫煙所設置費等助成制度を拡充

 もう一点、注目したい。維持管理費の助成額を従来の年間144万円から年間150万円に引き上げるとともに、助成期間の上限を撤廃したのだ。これまでは5年目までは144万円、6年目から10年目までは72万円だった。

 制度拡充の狙いについて港区の担当者はこう説明する。

「区は、たばこを吸う人も吸わない人も快適に過ごせるまちを実現するため、より分煙効果が高い喫煙場所として、屋内喫煙場所と屋外密閉型喫煙場所の整備を積極的に推進しています。コンビニエンスストアやコインパーキングなど、設置を検討される事業者の皆さんが利用しやすいよう、助成内容を拡充し、喫煙場所数の増加と運営継続を促進し、分煙を進めます」(港区環境課)

 今年4月からの助成制度の概要は設置費が「2.5平方メートル以上5平方メートル未満」200万円、「5平方メートル以上10平方メートル未満」400万円、「10平方メートル以上15平方メートル未満」600万円、「15平方メートル以上20平方メートル未満」800万円、「20平方メートル以上」1000万円。屋外密閉型の設置費は「2.5平方メートル以上5平方メートル未満」500万円、「5平方メートル以上」1000万円。そして維持管理費は年間150万円となっている。

“喫煙排除”ではなく分煙促進という前向きの取り組みにしっかりと予算を付ける港区の姿勢を他の自治体も見習ってほしいものである。 (つづく)