「チャレンジャーである私は現職とフェアな公開討論会で議論をしたかった。小池都知事はどうして出てきてくれないんですか」

 東京都知事選のラストサンデーだった6月30日、銀座の歩行者天国で蓮舫前参院議員が街頭演説。まず、冒頭の訴えはコレだった。

 そして、内情をさらに暴露した。

「ある民放テレビの幹部に聞きました。公開討論会を3回オファーしたがすべて断られた。理由は公務。しかし、フタを開けたら、自分で街頭演説をしていたそうです。逃げないでもらいたいと、皆さんも思いませんか」

 ここで聴衆から拍手が沸き起こった。

 テレビの報道・情報番組に主要な候補者を呼んで、公約や政策を戦わせる公開討論会は、テレビ局にとって都知事選の定番コンテンツだ。コロナ禍の4年前こそ行われなかったが、8年前の小池知事の初出馬時は、主要候補者がテレビ局をハシゴ。小池知事がライバル候補だったジャーナリストの鳥越俊太郎氏を「病み上がりの人」と街頭で発言したことについて、テレビ討論で小池知事と鳥越氏がバトルになった。

■夜は公務が入らないのになぜ逃げる

 蓮舫陣営によれば、「真相報道バンキシャ!」(日本テレビ系)、「報道ステーション」(テレビ朝日系)、「Mr.サンデー」(フジテレビ系)など、ほぼすべての在京民放テレビ局から討論会のオファーがあるという。

 しかし、小池知事が逃げているため、ただの一度も開かれていない。

 蓮舫氏は30日の演説で、小池知事が少子化対策で打ち出した「婚活アプリ」などに言及し、「時代とズレている」「若者支援が徹底的に欠落している」とバッサリだった。

「小池さんがしきりにアピールする少子化対策は、選挙目当ての場当たりでここ1、2年にやったことです。2期8年で見れば、東京の出生率0.99が小池都政の“成果”。討論会に出れば、そうした現実を突きつけられるから嫌なのでしょう」(ジャーナリスト・横田一氏)

 小池知事が強調する公務優先も、「改選期の知事の選挙期間中に、普通、現場は公務など入れない。知事サイドから『画になる公務を入れてくれ』のお達しが出ているのでしょう」(都庁関係者)というし、そもそもテレビ局がオファーしている番組は、ほとんど公務の入らない夜の時間の放送だ。

 この週末のメディアの最新情勢調査では、小池知事が一歩リードしているという。政策論争から逃げまくる不誠実な知事が、さらに4年続投でいいのだろうか。