桑の実で「水」を補って身体に潤いを与え、ほてりを解消する【健康長寿に役立つ高齢薬膳】
日刊ゲンダイDIGITAL6/6(金)16:05

ホタテのカルパッチョ 桑の実ソース添え(提供写真)
【健康長寿に役立つ高齢薬膳】桑の実
最近、手足だけがやけにほてる。夜、足の裏が暑くてなかなか眠れない……。
手足のほてりは、なかなか周囲に理解されづらいけれど、本人にとっては不快なものです。熱があるわけではないのに手のひらや足の裏に熱感がある場合、いくつかの原因が考えられます。
まず、自律神経の乱れが挙げられます。自律神経は交感神経と副交感神経があり、この2つがバランスをとることで血流や体温を正常に保っています。ところが、ストレス、疲労、睡眠不足、屋外と室内の温度差などによって自律神経の働きが乱れると、交感神経と副交感神経の調節が適切に行われなくなります。すると血管が拡張気味になり、手のひらや足の裏の表面近くにある血管から盛んに熱を逃すようになり、ほてりを感じやすくなるのです。
女性の場合は、ホルモンバランスの乱れによっても、手足の血流が増加して局所的に熱感が起きるケースがよくみられます。そのほか、糖尿病による末梢神経障害でも手足のほてりを感じることがあります。
中医学においては、「陰虚」と呼ばれる状態の場合、手足のほてりがあらわれることが多いと考えます。陰虚とは血液以外のあらゆる体液を指す「水」が不足した状態をいいます。水は陰陽において「陰」に属し、内臓や皮膚、髪を潤わせ、関節や骨髄にも入って動きをスムーズにする働きがあります。
また、身体を潤わせることによって「余分な熱を冷ます」という役割も担っています。よって、水が不足すると体内が乾燥し、過剰な熱が生じてしまうのです。その結果、のぼせたり、手のひらや足の裏のほてりが引き起こされます。とくに手足のほてりは、陰虚の代表的な特徴とされています。
そのほか、潤いが不足していることによって喉が渇きやすい、肌の乾燥、ドライアイ、便秘といったトラブルも見られがち。改善のためには身体の熱を鎮めて、水を補う食材を取り入れることが大切です。
おすすめは桑の実。桑の果実で、柔らかい粒が集まった細長い形をしています。初夏の頃に赤黒く熟し、そのまま食べても甘酸っぱくて美味しいフルーツです。英語ではマルベリーと呼ばれ、「美に貢献するフルーツ」としても注目されています。桑の実を乾燥させたものは「桑椹(そうじん)」と呼ばれ、生薬としても使われています。水を補い、身体に潤いを与えて余分な熱を下げる優れた働きがあります。
また、中医学において「腎」と呼ばれる臓器の働きを高め、アンチエイジングに威力を発揮します。さらに「血」を補う効果も高く、貧血やめまいなどのトラブルを改善。耳鳴り、便秘、不眠などにも役立つという、スーパーフルーツなのです。
そのまま、あるいはドライフルーツやジャム、ジュース、スイーツなどに加工したもので入手が可能です。桑の実が熟すのはちょうどいまの時期です。機会があればぜひ、フレッシュな味わいも楽しんでみてください。 桑の実の手足のほてりを改善する効果を高めるには、同じく水を補うホタテ、ナガイモ、ヨーグルト、豆乳、クコの実などと組み合わせるとよいでしょう。
■桑の実高齢薬膳レシピ
ホタテのカルパッチョ〜桑の実ソース添え
身体に潤いを与える桑の実とホタテ、ヨーグルト、クコの実を組み合わせたレシピ。甘酸っぱい桑の実ソースとホタテの相性はぴったり。白ワインのおともにもぴったりです。
【材料】2人分
●ホタテ(刺身用) 6粒
●桑の実(ドライフルーツ) 大さじ4
●クコの実 大さじ1
●ヨーグルト 小さじ2
●A(赤ワイン=大さじ4、バルサミコ酢=大さじ2、水=大さじ2)
●オリーブオイル・塩・レモン汁 適量
【作り方】
まず桑の実ソースを作る。鍋に刻んだ桑の実、Aを入れて加熱し、沸騰したら火を弱め3分程度煮る。ホタテは1粒を横3枚程度にスライスして器に並べる。オリーブオイル、塩、レモン汁をふったら、ヨーグルト、桑の実ソースをのせ、クコの実を散らす。
(池田陽子/薬膳アテンダント・食文化ジャーナリスト)











