かつて学生寮の“寮母”をしていた女性。74歳になるが、住宅ローンが残っていて今の仕事を辞められない。大学時代に彼女の世話になった元寮生たちがそのことを知り、寄付を集めて誕生日にローン残高を超える額をプレゼント! そんな“サプライズ”が米国で話題になっている。

 注目を集めている女性は、米ルイジアナ州立大学(LSU)にある米学生団体「ファイ・ガンマ・デルタ」の寮で学生たちの食事の世話をしていたジェシー・ハミルトンさん(写真のイスに座っている女性)。

 1982年から1996年までの14年間、学生寮で働いた。午前4時から寮で朝食の支度を始め、寮生たちに3食の世話をした。またジェシーさんに車で買い物や病院に連れて行ってもらった学生もたくさんいた。

 一方、プレゼントの発案をしたのは元寮生のアンドリュー・フサイオッティさん。1987年から1989年の間、LSUで学んだ。卒業後も時々、ジェシーさんと連絡を取っていた。

 昨年、新型コロナウイルの感染拡大が始まった時、アンドリューさんは「ジェシーさんはどうしているだろう?」と心配になり、連絡を取った。

 ジェシーさんは元気だったが、その時もまだ仕事を2つ抱えて働いていた。「引退はしないんですか?」と聞くアンドリューさんに、ジェシーさんは、30年払いの住宅ローンの残債が16年分、4万5000ドル(約490万円)あり、「とてもじゃないが引退はムリ」という。

「ジェシーさんを支援しよう」と決意したアンドリューさんは、元寮生たちに事情を説明し、寄付を集め始めた。

 アンドリューさんが「いつも一生懸命働き、笑顔を絶やさず、人を喜ばせ、絶対に愚痴をこぼさなかった。貧しいけれど、多くのものを与えてくれる女性」と絶賛するジェシーさんを慕っていた学生は多かった。今年の4月までに、100人以上の元寮生からなんと合計5万1765ドルもの寄付が集まったという。

 アンドリューさんたちは、ジェシーさんの74歳の誕生である4月3日に同州ベイカーでバースデーパーティーを開き、ジェシーさんを招待。その時に5万1765ドルの小切手をプレゼントしたのだ。

 その時の様子を撮影した動画をエイミー・ジュベールさんという女性がユーチューブに投稿。少しずつ拡散し、地元メディアが報道。ワシントンポスト紙などの主要メディアも取り上げたため、全米の注目が集った。

 もちろんジェシーさんは大感激。メディアの取材にこう語った。

「ローンをどうしようかと悩んでいました。神があの子たちをこのようなことに導いてくださったことに感謝します。アンドリューさんは私の守護天使です」

「あの子たちは私の子どもでした。今でもそうです。私のことを『大好きだ』と言ってくれていましたが、本当だったのね」