変異株が牽引する新型コロナウイルスの第4波は子どもの感染が目立つ。この先、変異株は流行の主流になり、早晩、全て置き換わるとされる。そんな中、変異株の子どもへの感染力の恐ろしさをうかがわせる検査結果に衝撃が走っている。

  ◇  ◇  ◇

 変異株の登場で子どもの感染割合が増えているのは数字上、明らかだ。大阪府の資料によると、第3波(昨年10月10日〜2月28日)では、10代未満が2・7%、10代が7・3%だったが、変異株陽性者に限ると、それぞれ6・0%、12・9%に跳ね上がる。大阪では感染者全体の8割を変異株が占める。

 大阪の豊中市立新田小学校では9日以降、教職員22人の感染が確認されている。14日には濃厚接触者ではない児童1人の陽性も確認された。そこで全児童875人を対象にPCR検査を実施したところ、12人の陽性が判明した。陽性率は1・5%に上る。児童の陽性者の大半が変異株だった。

■わずかの接触で13人も感染

 学校クラスターなのか――。豊中市に聞いた。

「学校で教師と児童の接触はあったので、感染が広がった可能性も否定できません。ただ、接触といっても、7日は入学式で1年生のみが登校。8日は始業式やクラス分け、9日も簡単な授業で3日とも午前中のみ。給食もなく、職員と児童がマスクを外して接触したこともなかった。豊中市も感染が広がっているので、学校外で感染したのかもしれません」(教育委員会事務局学校教育課)

 もし、児童が学校で教職員から感染したのなら、この程度の接触で13人もが感染したことになる。逆に学校外の感染なら、日常生活で1・5%もの子どもが感染していたというわけだ。ちなみに、府が2〜3月に実施した高齢者施設への集中的検査では、約11・6万件中、陽性は31件と0・03%だ。陽性率1・5%はその50倍である。

変異株に“無警戒”だった萩生田文科相

 西武学園医学技術専門学校東京校校長の中原英臣氏(感染症学)が言う。

「陽性率からすると、豊中の児童は学校で感染したと考えられます。マスクを外さず短時間だったので、13人の感染で済みましたが、通常の学校生活だったら、もっと大規模なクラスターに発展していた可能性があります。変異株対応はこれまでと発想を変える必要がある。高齢者施設のように学校でも定期的にPCR検査を実施して、陽性者を早期に発見する体制をつくるべきです。子どもの健康はもちろん、親や祖父母に感染を広げないためにも、子どもの感染を広げない対策が必要です」

 校内感染を警戒し、自主休校する子どもも少なくない。対面授業と並行し、希望者には遠隔授業を受けられるようにすべきではないか。

 変異株に“無警戒”だった萩生田文科相は20日の会見で「子どもの罹患率が低いとされていた従来株に比べ、変異株流行に対しては子どもへの感染拡大への一層の警戒が必要」と態度を修正。12歳未満のコロナワクチンは存在しない。変異株から子どもを守るのは政治の責任だ。