東京都が、新型コロナウイルス対応の特別措置法に基づく緊急事態宣言が出された場合、飲食店での酒類の提供を終日禁止する方向で調整していることが明らかになった。宣言の期間は4月25日か26日ごろから、GWを挟んで5月11日か16日ごろまでの2〜3週間になりそうだという。

 それにしても、行政に振り回され続ける飲食店が気の毒になる。3月21日にようやく緊急事態宣言が解除され、酒類の提供が午後8時から午後9時まで延長されたかと思ったら、4月12日に「まん延防止等重点措置」が適用されて再び午後8時に戻った。かねてから飲食店がいくら営業時間や酒類の提供時間を短縮しても、要請を無視して深夜まで営業を続ける店が存在する限り、効果は限られるという意見もあった。

 愚直に都の時短要請を受け入れ、従ってきた飲食店は3週間近くも酒類の提供が“終日禁止”となる。すでに経営が苦しい店はいよいよ立ち行かなくなりそうだ。“令和の禁酒令”みたいな今回の都の措置に憤るのは、政治評論家の伊藤達美氏だ。

「恐らく都の狙いは“昼飲み”の撲滅でしょう。ただ、大多数の人はルールを守り、周囲の目を気にしながら静かにお酒を楽しんでいます。ルールを守っている人と守っていない人を同じ網にかけようとする都の発想は明らかに間違えています。そもそも、お酒を一切提供できなくなってしまう居酒屋は果たして居酒屋と呼べるのでしょうか。お店の存在意義にも関わってくる問題だと思います。時短営業より、客同士の座席間隔を空けたり、入店人数を制限したり、アクリル板の設置を徹底した方がコロナ対策に有効だという指摘もあります。そうした効果をきちんと検証せず、いきなり酒類を終日禁止にするのはいくらなんでも乱暴だと思います」

 厚労省老健局老人保健課が3月下旬に深夜まで開いた宴会でクラスターが発生した。都も小池知事も令和の禁酒令の前に打つべき対策があるはずだ。