緊急事態宣言の対象に3道県が追加され、まん延防止等重点措置についても新たに3県が適用されることになったが、小出しの泥縄対策で新型コロナウイルス第4波の勢いを抑えるのは不可能に近いんじゃないか。

 直近1週間(5月8〜14日)の47都道府県の1日の最多感染者数を調べた〈表〉。16道県がこの1週間で過去最多を更新している。14日は、岐阜、熊本、大分で過去最多だった。

 26都道府県が新規感染者数の「ステージ4」(爆発的感染拡大)超え。東京の人口に換算すると13都道府県が1000人を上回る。

 足元の感染状況は深刻そのものだが、それでも“嵐の前”である可能性がある。西武学園医学技術専門学校東京校校長の中原英臣氏(感染症学)が言う。

「英国では昨年12月に変異株が流行の主流になり、今年1月に新規感染者数のピークを迎えています。国立感染症研究所は全国で90%以上が英国株に置き換わったと報告しています。英国株が先行して広がった関西は6月に向けて新規感染者が減っていく可能性がありますが、全国的には拡大傾向が続くとみています」

 強いロックダウンとワクチン接種で感染を抑え込んだ英国と日本はまるで対照的だ。

「宣言と重点措置の対象は19都道府県に拡大したものの、エリアは限定的。対象外の地域に対して逆に安心感が生じ、人が流れて感染が拡大する事態は容易に起こり得ます。泥沼の長期戦を避けるためには、宣言をすみやかに全国拡大すべきです」(中原英臣氏)

 あの安倍前首相ですら宣言の全国拡大を表明した昨年4月の会見で、感染拡大地域からの人の流れについて「最も恐れるべき事態である、全国的かつ急速な蔓延を確実に引き起こすことになります」と強調していた。

 すぐに動かなければ、目も当てられない惨状を招きかねない。