新型コロナウイルス第4波の猛威になす術ナシ。菅政権は14日、スッタモンダの末、緊急事態宣言の対象に北海道、岡山、広島の3道県の追加を決定。まん延防止等重点措置の適用についても群馬、石川、熊本の3県が加えられた。第4波の主体となった英国株は全国で9割を占めるまでになったが、それを上回る威力が懸念されるインド株の市中感染も初確認。感染スピードは英国株の1.6倍との指摘もあり、収束へ向けた出口は全く見えない。

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 16日から9都道府県が宣言下、重点措置も10県に拡大する。14日の会見で菅首相は「新規感染者数は大阪では減少に転じてます」とか言っていたが、変異ウイルスを甘く見過ぎているのではないか。英国株が従来株と置き換わる一方、二重変異ウイルスのインド株も流行の兆しを見せている。

 東京医科歯科大は14日、国内で市中感染が広がっている可能性があると発表。インド型に感染し、今月初旬に付属病院に入院した40代男性には海外渡航歴がなく、感染経路が不明なためだ。英国型によって感染爆発した大阪府でも、インド型感染が初めて確認された。

■感染スピードは英国株の1.6倍

 国立感染症研究所は国内事例の分析で、英国株は従来株より1.3倍感染力が強く、重症化するリスクも1.4倍と推定。インドの新規感染者数を40万人(週平均)にまで押し上げたインド株は、さらに感染力が強いと指摘される上、スピードも加速しているという。ベルギーのルーベン・カトリック大教授のトム・ウェンセラーズ氏(生物学)はSNSなどで「英国株の感染スピードは従来株の1.5倍、インド株は英国株の1.6倍」と指摘。国際的なウイルス遺伝子データベース「GISAID」の情報を基に推定したという。

 英国株が国内で初めて確認され、全国的な蔓延まで要した期間は約140日。インド株の初確認は先月26日ごろで、英国株の1.6倍速で感染を広げるとすれば90日足らずになる計算で7月中旬には国内で主流になる。東京五輪開催はどう考えても絶望的である。

 医療ガバナンス研究所理事長の上昌広氏が言う。

「英国株比1.6倍速という数字は累計感染者数から逆算したと考えられますが、問題はインドで発生した感染爆発がインド固有の条件によるものなのか、変異ウイルスの特性によるものなのか。アジアでは新型コロナ感染による死亡者は少なかったのに、インドで突如として爆発的に増加しました。インド株の性質に起因するのであれば非常に危うい。英国株の蔓延を許したように、日本の水際対策はスカスカで、モニタリング体制も緩い。新型コロナは夏と冬に大きな流行の波が来ますから、このまま冬につながっていき、破滅的なダメージを食らう可能性があります」

 とっとと五輪を返上し、国を挙げて対策を取らなければシャレにならない。