【どうする、どうなる「日本の医」】#5

 コロナワクチンの集団接種が始まった。私も初回接種を終えた。接種当日の夜から接種部位が腫れ、翌日は37度に発熱した。ワクチンに炎症反応はつきものだが、インフルエンザワクチンよりは、はるかに強そうだ。

 では現在、コロナワクチンの副反応について、どの程度分かっているのだろう。現状をご紹介したい。まずは厚労省の報告だ。4月25日現在、医療従事者を対象に271万8090件の接種を終え、副反応疑いとして4402件(0.16%)が報告されている。うち重篤例は551件(0.02%)だ。

 これは、私の実感と乖離する。接種者の大半は、程度の差こそあれ、発熱や倦怠感などの副反応を経験する。厚労省はこのような副反応をカウントしておらず、関心がないようだ。これはいただけない。

 私が注目するのは、19例の死者が報告されていることだ。

 死因は心血管障害8例、脳出血6例、感染症2例、他3例だ。もちろん、これだけでワクチンによるものと結論はできない。ただ、17例が接種後10日以内、11例が3日以内に死亡しているのは異様だ。この中には接種後4日目に脳出血で死亡した26歳女性、3日後に詳細不明の心肺停止で亡くなった37歳男性も含まれる。2人とも特記すべき基礎疾患はない。彼らの死亡がワクチンと無関係なら、死亡日が接種後数日間に集中することはない。死亡と接種の関係が否定できない。

 なぜ、こうなるのだろうか。私は、コロナワクチンが、日本人に対して過剰投与になっている可能性があると考えている。

 ファイザー製のワクチンは3週間隔で30マイクロリットルを2回接種する。欧米の用量を、そのまま日本人に応用した。欧米人と比較して、日本人は小柄だ。日本人成人の平均体重は男性約70キロ、女性は約50キロだ。一方、米国人は男性約90キロ、女性約75キロだ。一律に同量を投与しているのだから、日本人には過量になりかねない。

 ファイザー製ワクチンの副反応と投与量には、どのような関係があるのだろうか。米「ニューイングランド医学誌」に掲載された第1相臨床試験が参考になる。この試験では、健常人を対象に、10、20、30マイクロリットルに振り分け、副反応の頻度を比較した。18〜55歳に対する2回目接種では、発熱が生じた頻度は、10、20、30マイクロリットル投与群で0%、8%、17%。倦怠感は33%、58%、75%。悪寒は8%、42%、58%だった。副反応と接種量の間には明白な用量依存性がある。

 私が知る限り、ワクチンが国内外で異なる用量で用いられているケースはない。これまでのワクチンは安全性が高かったのだろう。コロナワクチンは分からない。臨床応用されたことがないmRNAベースのワクチンだからだ。特に問題となるのは高齢者だ。持病を抱え、体力のない人が多い。接種に当たっては、かかりつけ医と、しっかり相談してほしい。

(上昌広/医療ガバナンス研究所 理事長)