17日告示を迎えた自民党総裁選を巡り、海外メディアからは日本の次期首相候補への“期待感”がまるで伝わってこない。盛り上がりに欠けるどころか、むしろ“警戒感”さえ漂う。

 総裁選には河野ワクチン担当相、岸田前政調会長、高市前総務相、野田幹事長代行の4人が立候補。本格論戦が始まったばかりとはいえ、海外メディアの報道は、「誰がリーダーになろうと変わらない」といった反応が目立つ。

 米ブルームバーグは「エコノミストを対象とする調査で36人中27人が河野勝利を予想」としつつ、「誰が総裁選に勝利しようと金融政策に直ちに影響しない」と主張。英ガーディアンは「菅首相を代えても日本の政治危機はほとんど解決しない」との見出しで日本経済の落ち込みや貧困、女性の少ない政治体制など諸問題を指摘。「誰が総裁選を制し、首相になったとしても、これらの難題に取り組むようには見えない」と自民党政治を厳しく批判した。

 こうして総裁選をしっかり論評するのはレアケースで、大半のメディアは“黙殺”。取り上げたとしても注目を集めるのは高市氏の極右ぶりだ。

 英タイムズが高市氏を特集した記事のタイトルは「右翼の強硬派が日本初の女性首相になりたがっている」。「かつてヘビメタバンドのドラマーだった」と経歴を詳しく紹介し、高市氏がヒトラーの選挙戦略に賛意を示したり、ナチズムを信奉する極右団体の男性と写真を撮ったりした過去を書き連ねている。欧州ではナチズムに賛同するなど、もってのほか。「とんだヤバイやつが首相候補になった」と思われているフシがある。

 3日の菅首相の退陣表明からきのうまで、米ニューヨーク・タイムズや米ウォールストリート・ジャーナルの総裁選に関する記事は候補者の人物紹介にとどまる。英BBCに至っては総裁選の動きすら報じておらず、決して関心が高いとは言えない。

 世界の主要メディアが抱く日本の新首相への期待感はしょせん、その程度。たいしたメンツではない、と見抜いているようだ。