昨16日、DeNAドラ1新人の度会隆輝(21=ENEOS)が出場選手登録を抹消され、プロ初の二軍落ちとなった。

 オープン戦で首位打者を獲得すると、セ・リーグ新人初の開幕戦から2試合連続本塁打。2戦目の3月30日の広島戦は第1打席で頭部死球を受けて倒れ込みながら、3打席目に右翼席にアーチを放つ強心臓ぶりを発揮した。4月26日の巨人戦では満塁弾を放つなど、ド派手デビューを飾った。

 が、3、4月を打率.217で終えると、5月8日のヤクルト戦以降はベンチスタート。直近2試合は出場機会すらなく、打率.231、3本塁打、11打点にとどまっていた。横浜OBがこう言う。

「他球団の研究もあり、フォークなどの落ちるボールの対応に苦慮しているのは確か。ヒッティングゾーンが広い半面、難しい球に手を出して凡退する場面が目立つ。いわゆるクサい球をカットする技術を身に着けるのも手です。ファウルで粘りつつ、甘い球を確実に仕留めることができれば、必然的に率は上がっていくはずです」

 度会の育成、起用に関して、元球団GMの高田繁氏は開幕前、「ナンバーウェブ」のインタビューでこう言っていた。

「俺やったらノー文句で使う。度会と心中するぐらいの覚悟でね。そもそもドラフトであれだけ即戦力投手がいるなかで、野手の度会を獲ったんだ。クビを懸けるぐらいの覚悟があってもいいだろ」

 実際、チーム周辺には、こんな声がある。

「外野の選手層は厚いとはいえ、度会はチームの顔になれる逸材。プロの壁にぶち当たる中、ミスに目を瞑って使い続ければ、プロの水に慣れて不振も克服できると思うのですが、チームが最下位に低迷していることも無関係ではないでしょう」

 同じ左打ちの好打者とえば、05年に200安打を達成、打率.344で首位打者と新人王を獲得したヤクルトの青木宣親がいる。その年の青木は3、4月に打率.230と苦しんだが、当時の若松勉監督がスタメンで使い続けた結果、5月に打率.365をマーク。ブレークに繋げた。

 DeNAの一、二軍の入れ替えは、フロントの意向も加味されるという。球団の覚悟が問われそうだ。

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 度会は天真爛漫な性格だという。子供向けの野球教室の最中に突然、尾崎豊の歌を熱唱してチームメートを驚かせたりするほか、「先輩、後輩かかわらず、物おじすることなく積極的に話しかけてます」という声も聞かれる。

 その人となりは、関連記事【度会を知る】…で詳しく報じている。