納得できないファンもいるはずだ。

 女子ゴルフは20日付の世界ランキング(ロレックスランキング)が発表され、前週国内ツアーで今季3勝目を挙げた竹田麗央(19)は、64位から50位に大きく順位を上げた。27日付75位以内の資格で来週の全米女子オープンに出場する竹田は、開幕4週前50位以内に入り、6月20日開幕の全米女子プロ選手権にも滑り込みで出られそうだ。この先も50位以内を維持すれば、7月のエビアン選手権、8月の全英女子オープンにも参戦できる。

 その世界ランキングを毎週気にしているのが古江彩佳(22)と山下美夢有(22)ではないか。2人は7月26日開幕のパリ五輪にどうしても出たいという。同ランクが15位以内なら各国最大4人までは出場できるが、16位以下は最大2人までしか大舞台に立てない。女子オープンだけでなく、

 五輪代表は、全米女子プロ選手権(国内はアース・モンダミンカップ)後の6月24日付の世界ランキングに基づいた五輪ランキングで決まる。

 もっか日本勢の最高位は畑岡奈紗(25)の17位。次は山下で、前週より2つ順位を上げて23位。古江は3ランクアップの24位。抜きつ抜かれつ、2人による僅差の争いが続いている。古江が主戦場とする米女子ツアーは今週試合がない。山下は前年覇者として23日開幕のリゾートトラストレディスに出場する。山下はここで、優勝もしくは上位でフィニッシュすれば、27日付のランキングはさらにアップするだろう。

 2006年から導入されたこの世界ランキングは世界12のツアーが対象。過去2年に出場した試合の成績で決まり、直近の13週間の結果が重視される。基準となるポイントの算出方法は複雑で、詳細を理解している選手はほとんどいないと言われている。各大会のレベルに応じてポイントが与えられるため、出場している選手のレベルが高ければ、その大会に付与されるポイントも多くなる。

山下美夢有がいくら勝星を重ねても…

 そこで山下と古江だ。

 2年連続年間女王となった山下の国内成績は圧倒的。昨季も国内32試合で5勝をあげ、トップ10入り20回。今季も11試合でベスト10入り6回。その内2位が3回ある。

 しかし、世界の強豪が集うポイントが高い海外メジャーの成績を見ると、昨年の全米女子オープンは予選落ち。エビアン48位、全英女子21位とふるわなかった。

 一方の古江は、22年7月のスコティッシュ女子オープンに優勝。昨季は国内6試合でベスト10入り3回。米女子ツアーは23試合で同6回。メジャーでの予選落ちはなく、全米女子プロ8位、全米女子オープン6位と好成績を残している。

 今季もメジャーのシェブロン選手権こそ50位(山下は17位)に終わったが、他の11試合では優勝を争った前週のみずほアメリカズ・オープン7位やブルーベイLPGA3位など、ベスト10入り5回と安定した戦いぶりを見せている。

 国内ツアーと世界最高峰の米女子ツアーを比べれば、選手のレベルやコース難度の差は歴然。山下がいくら勝星を重ねても、世界の強豪が見向きもしない国内大会に過ぎない。一部ではあるが、「米国で戦う古江より山下の方が世界ランキングで上位にいるのが不思議」というファンの声はよくわかる。

 古江の次戦は30日開幕の全米女子オープン(ペンシルバニア州ランカスターCC)。国内からは山下も参戦する。ポイントが高いこの大会で、古江は大幅なジャンプアップを狙う。