29日時点で巨人の114得点はリーグ最少。チーム打率.227もセ5位という低空飛行ぶりだ。すでに20試合連続4得点以下で球団ワーストを更新した。

 貧打の原因に坂本勇人の衰えを挙げ、「主力に依存しすぎる巨人は、これまでも世代交代に苦労した」とは、巨人の元バッテリーコーチで評論家の秦真司氏だ。(【前編】からつづく)

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 巨人には定期的に「貧打」の時期があった。

 例えば、チーム打率.243で9年ぶりのリーグワーストに終わった2015年。現監督の阿部(.242、15本塁打)や村田(.236、12本塁打)ら中軸打者が故障などで軒並み打撃不振に陥った。規定打席に到達したのは坂本(.269)、長野(.251)だけ。結局、V逸でリーグ3連覇が途切れ、原監督の第2次政権が終わった。

 巨人コーチや中大監督などを歴任した高橋善正氏(評論家)がこう言った。

「15年ごろは、故障がちになっていた阿部、FA入団組で衰えが見え始めた村田、そこに長野、坂本を加えた、原監督が『枢軸』と呼んだメンバーへの依存度が高かった。半面、この4人に続く若手を育てなかったことで、後任で翌年から3年間勝てなかった高橋由伸監督が苦労することになるのです。岡本を4番として根気強く起用したのは由伸監督です」

 同じことが今、起きている。原監督の尻拭いに追われた由伸監督と阿部新監督の姿がダブるのだ。

 19年からの第3次原政権で丸をFA補強するなど打線を強化。リーグ連覇を果たしたのも束の間、21年から3年連続V逸で、22年のチーム打率はリーグワーストの.242と貧打にあえいだ。そんなチームを阿部監督は引き継いだ。前出の高橋氏が続ける。

「丸、梶谷のFA組を含めた主力が過渡期で若手が育っていない。16年の由伸監督同様、今度は阿部監督が後始末に追われる格好になっているだけに気の毒です。投手陣はこの日先発の堀田らが延長十二回まで無失点でつないだが、ここまで点が入らないと、そのうち投手陣に影響する。1点もあげられないと汲々として、大胆に投球ができなくなる。それが心配です」

 昨季崩壊した投手陣は立て直しつつある。今度は「勝ちながら打撃陣を整備」という新たな宿題が課されることになる。原監督の次の監督はいつも大変だ。

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