偶然か、はたまた必然か。

 楽天が初優勝を手にした交流戦。導入初年度の2005年から今季まで計19回行われ、うち15回はパ球団が優勝している。リーグ別の勝敗も、セがパを上回ったのは過去3回のみ。今季も53勝51敗3分で、パに軍配が上がった。

 両リーグの違いは守備でも顕著だ。交流戦で2ケタ失策を記録したパ球団は日本ハム、ロッテ、西武の3球団だが、セは巨人以外の5球団。パの52失策に対し、セは64失策と大幅に上回った。ちなみに優勝した楽天は6失策、2位のソフトバンクも3失策である。

 かつてソフトバンクの三塁のレギュラーだった松田宣浩は以前、日刊ゲンダイのインタビューでこう話していた。

「セ・パはどっちが強いとも弱いとも思わない。ただ、同じプロ野球でも野球が違うとは感じている。DHのあるなしもそうだけど、例えば僕は三塁を守っている時に一番、実感する。右打者の場合、パだと投手が少しでも甘いコースに投げたら、強烈な打球が飛んでくる。セの場合は逆方向に打つので、僕のところにほとんど打球が飛んでこない。投手もパはパワーピッチャーが多く、セは技巧派が多い印象です」

 今季の交流戦最多タイとなる4失策の中日・高橋周、次点タイで3失策の広島・小園、ヤクルト・村上は、いずれもセの三塁手だ。打球の違いが、結果として数字に表れたとも言えよう。

「今季、セで球速150キロ以上をマークした投手は80数人だが、パは100人超。好投手の存在が打者を成長させるという面は間違いなくある。パは力と力の勝負という傾向もいまだにあり、打者は追い込まれても強くスイングする。結果、引っ張りの打球が多い。セは反対方向に流すケースが多いことも、打球の違いでしょう」(球界OB)

 セ・パの「違い」が「差」となっているのが現状だ。セはそろそろ本腰を入れてパ対策をするべきか。

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 記事本文中に登場する松田宣浩は以前、日刊ゲンダイに「最強ソフトバンクの真実」を独占激白してくれた。

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