チームが変わっても「己を知る」ことができなければ、一軍は遠いのではないか。

 松原との交換トレードで巨人に移籍した前西武の若林楽人(26)のことだ。

 今季は19試合で打率.129、3本塁打、5打点、2盗塁とサッパリだが、かつては「新人王間違いなし」と言われていた時期もあった。

 2020年ドラフト4位で駒大から入団し、1年目から開幕一軍入り。50メートル5秒8の俊足、遠投125メートルの強肩に加えて小力もあり、開幕後は主に1番打者として44試合で打率.278、2本塁打10打点、20盗塁の大暴れ。当時の首脳陣も「19年にメジャー移籍した秋山の穴が埋まった」と期待を寄せていた。

 しかし、5月末に左膝前十字靭帯を損傷。翌22年5月に復帰したものの、以降はすっかり精彩を欠いている。ケガを経ても俊足は健在ながら、その長所を生かそうとせず、長距離打者のごとくバットをブンブン振り回しているからだ。

 そんな若林にかねてから苦言を呈していたのが、名球会会員で西武OBの山崎裕之氏である。

「自分の長所を理解していない。ミートを重視して出塁を意識すれば怖い打者なのに、まるで自分が4番打者だと勘違いしているのか、フルスイングばかり。それで打球が飛べばまだしも……」

 と話し、「そんな若林を指導できず、好き勝手やらせている首脳陣も情けない」と嘆いていた。

 若林本人は自分のウリは長打力と考えており、「元々、盗塁など走るのは好きじゃない。スライディングも上手くないから」と話していたこともあるが、通算本塁打はたったの6本だ。

 そもそも野球はチームスポーツ。選手個々にそれぞれの役割がある。好き勝手にバットを振り回し、今季は66打席で四球はわずか1個で、出塁率.156。チームは歴史的な低迷が続いているにも関わらず、5月21日を最後に二軍暮らしが続いている。

 巨人で戦力になるか、新天地でも二軍で塩漬けのままか。打撃に対する意識改革が求められそうだ。(つづく)

  ◇  ◇  ◇

 若林と松原は同じ外野手で俊足、強肩と長所も一致しているが、「巨人はチーム編成的に不足している右打者が補強ポイントだった。加えて、元ドラフト1位の浅野翔吾(19)の存在とも無関係ではないともっぱらです」とは巨人OB。いったいどういうことか。

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