大谷翔平(26=エンゼルス)が米球界で脚光を浴びている。

 日本時間13日のロイヤルズ戦。1点リードで迎えた七回2死二、三塁から大谷が放った右翼越え2点二塁打の打球速度は119マイル(約191.6キロ)を計測。MLB公式ホームページはトップ記事で「大谷は2015年にスタットキャスト(弾道解析機)が導入されて以来、119マイル以上の打球を放った5人目の選手になった」と報じた。

 大谷のスピードやパワーがメジャーでも抜けているのは間違いない。今季は投げて164キロ、打って191.6キロ、3本塁打。中でも打つ方は12日現在、ア・リーグ西地区首位を走るチームの勝利に大きく貢献している。

 しかし、投げる方はどうか。

 ここまで1試合、4回3分の2を投げて2安打1失点、7奪三振。球はめっぽう速いが、例によってコントロールが定まらない。5つの与四球と自らの暴投などで5回を投げ切れずに降板している。しかも右手にできたマメの影響で、次回登板の具体的な予定もいまだ決まっていないのだ。

 投手としての大谷は、とにかく球速を追い求めている。かつて日刊ゲンダイの取材に「(バットに当てられても)タイミングさえ押し込めていればファウルになる。それで追い込めれば、フォークなり、スライダーなり、真っすぐなりで三振は取れるんじゃないかと思う」と答えていたし、球速を抑えて、その分、制球を良くしようと思わないかという問いには、「正しいフィジカルで、正しい投げ方をすれば球速も上がるし、コントロールも良くなる」と答えた。

 さる日本ハムOBがこう言った。

「大谷はスピードを抑えて制球優先の投球をやろうと思えばできるし、実際にやったこともある。左足を踏み出す際の歩幅をいつもより狭くし、制球も整っていた。そのときのフォームを固めれば良かったのに、実際にやったことは逆。いつも以上に歩幅を広げ、さらに球速を上げようとした。メジャーに行っても、大谷の基本的な考え方やスタンスは変わりません」

 本人が言うように「正しい投げ方」をすれば「コントロールも良くなる」だろうが、制球が定まらないのは「正しい投げ方」をしていないからではないか。スピードを求めるあまり、フォームが乱れている可能性もある。

 人より遠くに打球を飛ばしたり、人より速い球を投げたりする能力は天性のものといわれる。ただでさえそういった能力を持ち合わせ、なおかつ能力に磨きをかけている大谷が、日本以上にパワー重視のメジャーで打球の飛距離と投手としての球速を絶賛されている。飛距離はともかく、投手にとって重要な制球がますますおろそかにならないか心配だ。