積極的な走塁が、かえってチームの足を引っ張りかねない。打撃好調なエンゼルス・大谷翔平(26)のことだ。

 日本時間17日のレッドソックス戦では逆転の12号2ランを放ち、ブレーブス・アクーニャJr、ヤンキース・ジャッジらとともにメジャートップタイに立った。

 メジャーを代表するパワーヒッターにも匹敵する長打力をアピールしている一方で、走塁にケチがついている。

 同16日には一回無死一塁から左前打を放ちながら、一塁走者ウォードが二塁上にとどまっていることに気付かず、二塁進塁を狙って塁間に挟まれタッチアウト。後続が倒れて先制機を逃した。

 ボーンヘッドとも言える大谷の走塁には、さすがにジョー・マドン監督もおかんむり。日頃は大谷のワークホースぶりに賛辞を惜しまない指揮官も「無理をし過ぎた。自動車事故みたいなものだが、(追突事故は)背後の車に責任があるものだ」と、珍しく苦言を呈した。

 このような暴走はともかく、今季の大谷は積極的な走塁が目立っており、盗塁を8度試みて6度成功。今月の3日のマリナーズ戦では二盗、三盗と立て続けに成功。翌日の試合では三盗を狙ったが、レイズバッテリーに阻まれた。後続にトラウト、レンドンのメジャーを代表する強打者が控えながら、みすみす得点機を逃したこともあった。

■「走塁ミスは二刀流の弊害」

「好走塁と暴走は紙一重とは言いますが、大谷は投球や打撃と同様に走塁のレベルアップが必要でしょう」と、JスポーツMLB中継で解説を務める評論家の三井浩二氏がこう続ける。

「大谷の走塁への意識が決して低いとは思いませんが、今季は結果的にチャンスを潰してしまうケースが目立っています。前の走者の動きを確認せずに、進塁を試みるというのはあってはならないことです。日本であれば罰金を科されてもおかしくはありません。特に三盗を試みれば、たとえ絶好球だろうと打者は見逃さなければなりませんから。キャンプで走塁練習をしていましたが、他の野手とは異なり、故障させたくない首脳陣の方針もあって、全力でこなしてはいないはずです。走塁でミスをするのは二刀流の弊害のひとつかもしれません」

 エンゼルスはメジャーワーストのチーム防御率(5.32)が示す通り、投手陣は崩壊状態だ。

「打線が1点でも多く稼ぐしか勝機を見いだせないだけに、大谷は走塁面で細かい配慮が求められる。盗塁を狙う際には、後を打つトラウト、レンドンと相手投手との相性を考慮するなど、細心の注意が必要でしょう」(前出の三井氏)