16日、阪神の関西地区担当スカウトがプロアマ規定に違反し、プロ志望届提出以前に今秋ドラフト1位候補の天理・達孝太投手(3年)と面談していた問題で、阪神球団は謝罪コメントを発表した。

■天理サイドへの謝罪コメントを発表もスカウトは厳重注意止まり

 天理サイドに陳謝した一方で、違反したスカウトに加え、全スカウトに厳重注意とルール順守の徹底を通知するにとどまり、ペナルティーはなし。天理側は「プロ志望届を出す予定があったら、提出前でも面談できる」と勘違いしていたため、阪神のスカウトのチョンボによって、天理サイドに迷惑をかけた。それだけに阪神の処分は甘い、という向きも少なくない。

 これにより阪神は、達投手を指名しづらくなったことは間違いないが、ある球界OBは、「達投手の上位指名を検討している球団にとってはプラス」と、こう続ける。

「193センチの長身右腕である達投手は今春のセンバツで3勝をマークしたドラフト1位候補。特に潜在能力の高さ、将来性を評価されている。即戦力を1位指名する球団はまだしも、育成に重点を置き、将来性を重視する球団が1位指名してもおかしくない逸材ですが、達投手が欲しい球団にとっては、ほぼ阪神の存在を気にする必要がなくなりましたからね」

 では、達投手を指名しそうな球団はどこか。

「パで首位争いをするオリックスは、地元・大阪出身ということもあり、かねて注視していると聞いています。昨年こそ1巡目で佐藤輝明(近大→阪神)を指名してクジを外したとはいえ、昨年まで3年連続で高校生を1位指名。2019年1位の宮城大弥は今季11勝をマークして大ブレークするなど、育成によって長期的に常勝チームを構築しようとしている。しかも天理といえば、18年1位の太田椋の出身校でもあります」(前出のOB)

 日本野球機構(NPB)はこの日、21日の代表者会議で12球団への注意喚起を行うとした。阪神の違反が11球団のドラフト戦略に波及することは間違いない。