二刀流が、また大台到達を逃した。

 エンゼルス・大谷翔平(27)が日本時間27日、本拠地アナハイムでのマリナーズ戦に10勝目(2敗)をかけて登板。打順は2番に入り、リアル二刀流で起用され、投げては7回を計112球、1本塁打含む5安打10奪三振1失点。打っては3打数1安打で、勝負を避けられることはなかったものの、一発は出なかった。勝敗は付かず、1918年のベーブ・ルース以来103年ぶりの「2ケタ勝利と2ケタ本塁打」の偉業達成はならなかった。

 この日の大谷は最速160キロの直球とキレのいいスライダー、カットボールを駆使。得点圏に走者を背負っても三塁ベースを踏ませず、つけ入る隙を与えなかった。6回を投げ終えて球数は98。自己最多の2ケタ勝利がかかる大谷は1点リードの七回も続投したが1死後、7番ケリニックに甘く入った変化球を捉えられ痛恨の同点ソロ本塁打を許した。

■自身の不甲斐なさにバットを叩きつけて怒り爆発

 自らのバットで援護できなかったこともあり、この日は珍しく怒りをあらわにした。七回裏に9番フレッチャーが一邪飛に倒れて攻撃を終えると、ベンチで準備していた大谷は目の前のケースにバットを叩きつけて悔しさを爆発させるシーンもあった。

 大谷は再び10勝目をかけて10月4日のマリナーズとの今季最終戦に登板する見込みだ。

「3戦11四球」はメジャー最多記録

 終盤にきて目に付くのが大谷に対する四球の多さだ。エンゼルスでマークすべきなのが大谷ひとりということも、プレーオフを狙うチームが下位チーム相手に取りこぼすわけにいかないという事情も理解できる。だが、それにしても多過ぎるのではないか。

 中でも17敬遠は日本時間26日現在、2位に7個差をつけてア・リーグトップ。メジャー全体でもソト(ナショナルズ)の22個に次いで2番目に多い。

 特に23日からの「3試合で11四球」は、2016年のハーパー(ナショナルズ)に並ぶメジャー最多記録。「3試合連続3四球以上」は、03年のバリー・ボンズ以来になる。25日のマリナーズ戦では、1点を追う九回1死走者なしから敬遠で歩かされた。

 度を越すとも思える四球禍に関して、エンゼルスのマドン監督は「プレーオフを争っているチームが相手であれば起こり得ること」と平然と話しているものの、かく言うマドン監督の存在こそ四球禍の一因との指摘がある。

 カブスの指揮官としてチームを108年ぶりの世界一に導いた16年のこと。マドン監督は5月5日からの4連戦で、前出のハーパーに対し計19打席13四球(4敬遠)。8日は計7打席で3敬遠を含む6四球1死球と、徹底して勝負を避けた。

 ワールドシリーズに駒を進めた08年のレイズ監督時代は、8月17日の対レンジャーズ戦で強打者のハミルトンに対して押し出しの敬遠を選択。4点リードの九回裏2死満塁で1点を捨てて次打者との勝負を選んだ。

 これまで敬遠をいとわないどころか、武器にしてア、ナ両リーグの「最優秀監督賞」を計3回受賞。奇策を駆使して「名将」と呼ばれるようになった指揮官だけに、大谷への四球禍に反論できるはずがないというのだ。

 大谷の一発を期待する球場のファンはただでさえ敬遠や四球を嫌う。実際、大谷が歩かされると、投手は激しいブーイングを浴びせられる。マドン監督にしても、内心では勝負して欲しいに決まっている。歩かせる方に多少の“負い目”はあるに違いないが、散々、敬遠を利用してきたマドン監督のチームの選手だから構わないという心理が、相手チームに働くのかどうか。マドン監督であるがゆえに、より、歩かされる確率が高くなっているとすれば皮肉と言うしかない。