FA市場の目玉である大谷翔平(29=エンゼルスからFA)の争奪戦からヤンキースとマリナーズが撤退したという。

 この2球団は大谷の移籍先として有力視されたが、両チームとも投手の補強を優先するため、方針を転換したともっぱらだ。

 大谷の去就を巡っては、各球団のGMの多くがウインターミーティング(日本時間12月5〜7日=米テネシー州ナッシュビル)までに決まると予想。日本ハムからポスティングシステムで移籍する際、エンゼルスと合意したのは12月9日だった。わずか8日間で移籍先を決めただけに、今回も早期決着で落ち着くとみられているのだ。

 2年ぶり2度目の選出をされたア・リーグMVPの発表も終わり、早ければ今週中にも合意すると噂されるが、大谷の交渉に気を揉んでいるのは、他の日本人選手ではないか。

 今オフはツインズからFAになった前田健太(35)の他、オリックス・山本由伸(25)、楽天・松井裕樹(28)、DeNA・今永昇太(30)、日本ハム・上沢直之(29)がメジャーの移籍市場に出ることになるからだ。

■大物選手から順に決まる傾向

 ここ数年のFAマーケットは、大物選手から順に移籍する球団が決まる傾向にある。中にはタフネゴシエーターとして知られるスコット・ボラス氏のように好条件を得ようと、交渉を引き延ばすケースもあるが、目玉選手の多くは年内までなどと、期限を切って交渉するのが一般的だ。

 契約規模が大きいFAの目玉選手の去就が決まらなければ、市場が動かず、他の選手の交渉にも影響を及ぼす。今永、松井らは大谷の交渉の行方にハラハラしているかもしれない。