16日に告示された衆院3補選(4月28日投開票)は20日、初めての週末を迎え、東京15区、島根1区、長崎3区に各党の党首クラスが応援に入り、候補者への支持を訴えた。

9人が乱立する東京15区補選では、日本維新の会が擁立した元会社員の新人、金沢結衣氏(33=教育無償化を実現する会推薦)の街頭演説に、大阪府の吉村洋文知事が応援に入った。吉村氏は、豊洲の商業施設前などで演説し、自民党の派閥パーティー裏金事件を厳しく批判。「今の政治を見た時、民間、納税者の感覚があまりにもなさすぎる」と指摘し、公的医療保険料に上乗せする形で徴収する「子ども・子育て支援金」の創設を盛り込んだ少子化対策関連法案が19日に衆院を通過したことに触れ「社会保険料が上がるという法案だ。子育て世代の財源をつくるために社会保険料を上げるなんて、ちょっと待ってよ、順番が違う。みなさんの給料が下がることと、ほぼいっしょだ」と述べ「政治は腹をくくった改革をやっているのか。みなさんに負担ばかり押しつけ、政治家はぬるま湯につかっている。どんどん負担が増えるこんな社会で、もつとは思わない」と、与党の対応を批判した。「自民党はパーティーをやって、裏金をつくっていた。それで、みなさんの社会保険料は上げていく。実質、増税だ。そうした政治はまっぴらごめんだ」とも訴えた。

また、国会議員に月額100万円支給される「調査研究広報滞在費」(旧・文通費)に触れ「給料以外にお小遣いをもらっている(ようなもの)。所得でもなく経費なのに領収書もいらない。維新は(使途公開を)やっているが、他の党はやっていない」とした上で「民間の感覚を持った金沢さんに勝ってほしい」と、支持を呼びかけた。2025年の大阪・関西万博に関する発言はなかった。

同補選には、NHKから国民を守る党の新人で弁護士の福永活也氏(43)、作家の乙武洋匡氏(48=国民民主党、都民ファーストの会推薦)、参政党の新人で看護師の吉川里奈氏(36)、無所属の元衆院議員、秋元司氏(52)、つばさの党の新人で会社経営の根本良輔氏(29)、立憲民主党の新人で元江東区議の酒井菜摘氏(37)、日本保守党の新人で大学客員教授の飯山陽氏(48)、無所属の前参院議員、須藤元気氏(46)も立候補している。