前明石市長で弁護士の泉房穂氏は28日に放送されたテレビ朝日系「ビートたけしのTVタックル」(日曜正午)に出演し、著名人の画像を無断利用したにせ広告を使ったSNS型投資詐欺に自身も悪用されていることをめぐり、日本政府の対応不足を指摘した。

フェイスブック上のなりすまし詐欺広告で被害が拡大していることを念頭に、泉氏はフェイスブックなどを運用するMeta(メタ)社の日本法人に連絡し「詐欺の不作為の共犯で刑事告発しますと伝えた」ところ、連絡があったことを明かした。その上で、今後について「日本で『なりすまし防止法』のようなものをつくった方がいい。なりすましたら即アウトにしないと」と述べ「なりすましを犯罪にする。人の名前や写真を勝手に使って(SNS発信)すること自体を、犯罪にする。(削除しなければ)それに協力していることになるので、運営事業者も責任をもってもらう。岸田総理はアメリカに行きはったんだから、こういうことを日本のためにやってほしい」と訴えた。

これに、宮崎県知事を務めた元衆院議員の東国原英夫氏も「ザッカーバーグは(来日時)岸田首相に会いに(官邸に)行った。(首相は)直接言うべきだ」と、岸田文雄首相の対応を求め、泉氏も「そうなんです。日本国民のための総理大臣なんだから、アメリカ(の議会)で拍手されるのは構わないが、日本国民のために仕事をしてほしい」と主張。著名人のなりすまし広告による詐欺が急増し社会問題となっていることを踏まえ、政府として真剣に向き合うよう首相に求めた。

泉氏はまた先日、著名人のなりすまし広告による投資詐欺で被害に遭ったとして、神戸市などに住む4人がMeta社の日本法人を相手取り、約2300万円の損害賠償を求める訴えを神戸地裁に起こしたことにも言及。「Meta社も責任があるという形にしないと。詐欺集団は見つからない。民事の損害賠償だけでは、少し賠償責任を負っても、(Meta社は)痛くもかゆくもない。やっぱり刑事責任を追及する必要があると思っていて、ここまで詐欺被害が大きくなっているにもかかわらず漫然と対応策をとらなかったということは、不作為による、ある意味、一種の共同的な役割だと思う」と持論を訴えた。