群馬・富岡市の動物園「群馬サファリパーク」は20日、公式サイトで、園内で飼育するマレーバクが女性の飼育係の右腕に噛みつき、重傷を負わせた事故について説明した。

同園は「園内で発生したマレーバクによる咬傷事故の発生について」と題した文面を掲載。20日午後12時30分ごろに、マレーバク展示場内で発生し、女性飼育係1名が負傷した。状況について「屋外展示場内にマレーバクの親仔と飼育係がおり、飼育係が母親のマレーバク(12歳)にトレーニングの一環でブラッシングを行っていたところ、マレーバクが飼育係の右腕に噛みつきました」と説明。負傷した飼育係は「病院に搬送され治療中。意識あり重症」とした。

原因は調査中とした上で、再発防止策については21日から「間接展示(人と動物が同じ空間に入らない飼育方法)に移行し、ブラッシングは中止」すると説明。「展示場の清掃や給餌はマレーバクを獣舎に収容した上で行います」とした。

またマレーバクの展示については継続。一方で、マレーバク親仔見学バスツアーの実施は見合わせ、関連キャンペーンは募集期間を早期終了する。21日以降も通常通り開園する。

同園は「事故に遭われた当園の従業員の体調の回復を心よりお祈り申し上げます。また今回の事故により皆様に多大なるご心配とご迷惑をおかけしたことをお詫び申し上げます。引き続き再発防止に向け安全管理方法を見直し、労働環境の改善に努めてまいります。今後とも皆様に愛されるサファリパークを目指し尽力してまいりますので、何卒ご理解賜りますようお願い申し上げます」と、北村昭二園長の名義でコメントした。

同園のマレーバクは先月3日に母親が仔を産んだばかりで、親仔見学バスツアーの開催や、公式Xで「#バク爆誕!」のハッシュタグを使ったキャンペーンが行われるなど、目玉のひとうだった。マレーバクはアジアに生息する唯一のバクで、大人になると体重300キログラムに達する個体も。同園の過去の記録では、野生のバクは森林にある草、木の葉、細い枝、果物などを餌として食べ、園では乾草、リンゴ、ニンジン、サツマイモ、キャベツ、バナナ、草食動物用ペレットなどを与えて飼育していたという。