食品大手の敷島製パンは22日までに、パスコ東京多摩工場で生産した「超熟山型5枚スライス」に、混入した「小型のクマネズミ」の詳細な情報などを、公式サイトで公表した。同社は今月7日に、食パンの中に小動物のような異物が混入していたと発表していた。

今回の発表で同社は「有害生物防除の専門事業者による鑑定の結果、異物はクマネズミの子ども(約60 mm)であることが判明いたしました(5月8日)」と報告。さらに「4月末時点の定期点検ではなかった新たな巣穴が工場外部で確認されました(5月7日)」とした。

侵入の経緯については「工場内部で長期的に生息していた可能性は低く、工場外部にできた巣穴を拠点に侵入し、焼成前の生地に混入したものと推定されますが、詳細については継続して調査中です」と記載。「微生物汚染の可能性を鑑み、工場に保管しているサンプル品のうち、自主回収対象に該当するものについて細菌検査をしたところ、いずれも一般生菌数は弊社基準値内であり、食中毒の原因となるような菌(大腸菌群・大腸菌・黄色ブドウ球菌・サルモネラ属菌)は未検出でした。また、お申し出品の細菌検査も同様の結果となりました」とした。

今後の対策として、該当ラインを休止し全設備を細部まで徹底的に清掃・殺菌したことを明かし、細菌検査で異常がないことも確認。工場外部の巣穴を薬剤を用いて閉じたことや、工場建屋の隙間をふさいだこと、粘着トラップを増設し、新たに設置した監視カメラ12台によるモニタリング、超音波発信機13台を設置したことなども報告した。

該当ラインの再開は「さらなる原因究明および再発防止に関し、一定の目途が立ったのちを予定しており、現在のところ時期は未定です」とした。

同社は「この度、弊社パスコ東京多摩工場で発生した商品への異物混入に関しまして、お申し出をいただいたお客さま、ご家族様には大変ご不快な思いと多大なるご心労をおかけしておりますこと、心よりお詫び申し上げます。また、日頃から弊社商品をご愛顧いただいているお客さま、お取引先様、関係者の皆様に対しましても、ご心配、ご迷惑をおかけしておりますこと、改めて深くお詫び申し上げます」とあらためて謝罪。「食品企業として今回の事態に至ったことは、極めて重く受け止めております。今後このような事態が再び発生することのないよう、これまでの運用を抜本的に見直し、引き続き原因究明と再発防止策を策定してまいります」とした。