<日本ハム4−3ロッテ>◇19日◇エスコンフィールド

待ってました! カバイエテ! 日本ハムのフランミル・レイエス外野手(28)がサヨナラ勝利につながる待望の本拠地初アーチを放った。

2点を追う7回に左翼2階席へ2号ソロをぶち込んだ。この大きな1発で試合の流れを変え、チームはこの回に同点に追いつき、9回は加藤豪が押し出し四球を選んで今季2度目のサヨナラ勝利。これで5カード連続初戦白星で1週間ぶりに貯金を1とした。

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レイエスが来日初のお立ち台で興奮しながら日本語で言った。「サイコウデス! スゴイ、チーム!」。9回1死満塁で加藤豪がサヨナラ押し出し四球を選ぶと仲間と一緒にベンチから飛び出した。来日時から、たくさんコミュニケーションを取ってくれている加藤豪を笑顔で祝福。こんな歓喜のフィナーレを迎える起点は2点を追う7回。レイエスが「カバイエテ(いい選手)」になったからだ。

ロッテ2番手の八木が投じた152キロ直球を捉えた。打球は左翼2階席へと届く特大2号ソロ。エスコンフィールドでの初アーチに、もちろん右手で左肩をたたく「カバイエテポーズ」も最大級の喜びを示す4本指だ。「本当に幸せ。こういう結果が出るまでサポートしてくれた八木コーチや、自分のことを信頼して使い続けてくれたビッグボス新庄監督に感謝の気持ちでいっぱいだよ」。

新庄監督からは1週間前の大阪遠征時に、うれしい声かけをしてもらっていた。「ホームランが出ないときには前に飛ばすことだけを落ち着いて考えてくれればいい。君のプレースタイルはいいし、今の打撃フォームもいいし、自分(新庄監督)はそのフォームが好きだよ、と言ってもらえた」。指揮官の言葉でポジティブな気持ちになり、ついに結果も伴ってきた。

チームメートからは打てなくても「顔を下げるな」と励まされてきた。特に奈良間とは顔を見合わせて「ナニ、ミテンダヨ」「ミテネエヨ」「オレジャネエヨ」「オマエダヨ」と言い合って笑い合うこともしばしば。助けられていると感じるからこそ、お立ち台で「日本に来た時から思うのは、みなさん本当に温かい。誠意の心を持って迎え入れてくれたことは絶対に忘れないです」と感謝した。だから、もっと打ちたいし、もっと「イカンカイ!」。自らを鼓舞するように、お立ち台を締めくくった。【木下大輔】

▽日本ハム新庄監督(レイエスの2号ソロとサヨナラ勝利に)「もうちょっと左の(当たれば111万円の)新庄ボードに行け、行け、行けって思いましたけどね(笑い)。徐々に日本の野球に慣れてきてタイミングの取り方も良くなって、とてつもない打球。ボール割れるんじゃないかなって。本当にうれしかったです。こういう勝ち方をしてくれるだろうなとシーズン最初に思っていたので、そんなに驚きはないかな」

○…水野が無安打トンネルを抜け、貴重な同点打を放った。6回に出場6試合、21打席ぶりの安打となる二塁打を放つと、7回に右翼線へ適時三塁打。「ここ最近で一番うれしかったというか、ホッとしました」。試合前には谷内内野守備走塁コーチや加藤豪から「誰も(無安打が続いていることは)気付いてないよ」と励まされ、自身も開幕からのヒット集を動画で見て「いいイメージを持って臨んだ」。久しぶりの快音が勝利につながり、笑顔で球場を後にした。