<中日−広島>◇28日◇バンテリンドーム

中日高橋宏斗投手(21)が今季初先発で7回3安打無失点の好投を見せた。打線の援護の恵まれず、白星こそお預けとなったが、ローテーションの柱として期待される右腕が2軍スタートからの巻き返しへ、力強い一歩を踏み出した。

ストレートの軌道は戻り、スプリットの切れ味は増していた。最速154キロで押し込み、宝刀スプリットでゴロの山を築く。ピンチらしいピンチは3回2死一、二塁。ここも小園を三ゴロに打ち取った。「悔しい思いを持ってマウンドに上がりました」。マウンドを降りた21歳は短い言葉にすべてを込めた。

開幕投手を目指した4年目の右腕は試練の春を過ごした。3月16日の阪神とのオープン戦。制球は定まらず、3回5安打3四球。キャンプで挑戦したドジャース山本由伸スタイルの投球フォームで結果を出せず、修正着手も間に合わなかった。

2軍では下半身強化も含めたフォーム作りをゼロが始めた。動作解析も活用し、特徴を生かすためのフォーム再構築に取りかかった。春先、下がっていたリリースポイントも上がり、球筋は安定。ウエスタン・リーグで4試合に登板して3勝1敗、防御率0・93。結果も残して1軍復帰のチャンスをつかむと「課題にしっかりと向き合えましたし、準備もできたと思います」と話していた。その最初のマウンドで成長した姿を披露した。