<ジャイアンツ10−4ドジャース>◇30日(日本時間1日)◇オラクルパーク

ドジャース大谷翔平投手(29)から2三振を奪ったジャイアンツの右腕スペンサー・ビブンズは、30歳でデビューしたばかりの異色の苦労人で、この試合がメジャー初先発で初勝利だった。

ビブンズは大谷に対し、1回の第打席は一ゴロ、3点リードの2死二塁では95マイル(約153キロ)直球で空振り三振、8点リードの5回2死二塁では2ストライクと追い込んでからストライクゾーンを大きく内角に外れるスイーパーで空振りの3球三振を奪い、ド派手なガッツポーズを披露。5回を4安打1失点で2勝目を挙げた。

2019年の大学卒業時にMLBのドラフトにかからず、フランスの独立リーグでプレー。その後、複数の米独立リーグを転々とした後、2022年5月にジャイアンツとマイナー契約を結んだ。ようやくメジャーに昇格したのは、12日後には30歳を迎えるという今年6月16日。普通なら野球を諦めてもおかしくない年齢でついにメジャーの夢をかなえたとき、それを母親に伝えると笑顔で涙にくれたという。

ジャイアンツのボブ・メルビン監督はビブンズについて「5回にオオタニから三振を奪い登板を締めくくった。彼にとって、特別な日になった」と話し、2安打1打点で援護したビラー内野手は「彼にとって人生最高の瞬間だったと思う」と祝った。