<静岡学生野球・春季リーグ:日大国際関係9−3東海大静岡>◇5日◇第6週第2日◇日大御園球場ほか

日大国際関係が東海大静岡を9−3で下し、静岡産大と同率首位に並んだ。先発の大江立樹投手(4年)が8回を2失点に抑える好投で、貴重な1勝をもたらした。全勝の静岡産大は、静岡大に1−8で7回コールド負けし、初黒星を喫した。2季連続を狙う日大国際関係か、3季ぶりの静岡産大か−。優勝の行方は、最終節(11、12日)の直接対決で決まる。

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日大国際関係の大江が、3季連続優勝に望みをつないだ。初回に先頭打者の打球が右足首を直撃。予期せぬアクシデントから3連打を許していきなり2点を献上したが、「少し慌てたが、その後は丁寧に投げ込めた」。2回以降は低めに球を集める安定した投球で、今季リーグトップの5勝目を挙げた。

今春リーグデビューした4年生右腕は、先発に定着して投手陣の柱に成長。「(ここまでの)3年間は良い時もあったが自分を出し切れなかった」。昨冬に2種類のカットボール習得に挑戦。登板のない日に磨きをかけてきた。この日も要所でこの“新球”を投じ、相手打線を苦しめた。和泉貴樹監督も「初回のアクシデントを乗り越え、本当によく投げてくれた」とたたえる力投だった。

直後に行われた試合で全勝のライバル静岡産大が敗れ、11勝1敗で並び首位に浮上した。昨年、広島から育成ドラフト1位で指名された先輩右腕杉田健の背番号18を受け継いだ大江は、力強く言った。「最後の戦いで、先輩に褒められるような投球をします」。秋春連覇をたぐり寄せるピッチングを誓った。【山口昌久】

○…リーグ戦初スタメンの渡辺龍内野手(3年)が、大事な試合で輝きを放った。「5番DH」で先発出場。1回2死一、三塁から甘く入った変化球を振り抜き、先制の中前適時打を放った。さらに5回には左前に勝ち越し適時打。今春リーグデビューの3年生は「思いっきりいくだけでした。好機をくれた仲間に感謝したい」と笑顔。最終節に向け「絶対負けられない」と力を込めた。

○…静岡産大は、優勝へ向けて手痛い1敗となった。4回に代打の磯木要内野手(2年)が左翼席に先制のソロ本塁打。幸先よく先手を取ったが、直後に相手打線に集中打を許し4点を献上した。6回には2本の適時打を許し、さらに4失点。3人の投手陣が打ち込まれ、打線も相手投手の変化球にタイミングが合わず、1得点に終わった。萩原輝久監督(59)は「今日は戦う姿勢が不足していた。この敗戦は、選手にとって良い薬になったと思う。最後は総力戦。勝ちたい気持ちを前面に出して、自分たちの力を発揮してほしい」と、日大国際関係との大一番へ切り替えた。