高校野球神奈川大会の開会式が5日、横浜スタジアムで行われる。168チームが参加する全国屈指の激戦区。たった1枚だけの甲子園切符を求め、しのぎが削られる。

茅ケ崎では鶴嶺・上川洋瑛投手(3年)が、川崎では菅・岩瀬将投手(3年)が好投手としてプロからも注目される。相模原にも燃える投手がいる。

「同じ公立だと上川君とか、岩瀬君とか、そういうすごい人たちに負けないように頑張ろうっていう気持ちはあります」

相模原弥栄の大川内(おおかわち)瑠汰投手(3年)は少し照れつつ話した。細身ながら身長184センチ。秋に鶴嶺・上川に投げ勝った右腕はこのオフに体重を増やして、最速は140キロにまで達している。

上川との打席での勝負を「ストレートが速くてキレが良くて、スライダーがすごく曲がって。当たるのかな、それ…みたいな」と苦笑いするものの、自身も相手打者から警戒されるだけの投手になりつつある。

6月23日には秋季都大会で準優勝の創価(東京)との練習試合に先発。相手はフルメンバーではなかったというものの、大川内は8回まで1安打無失点の好投。奪三振こそ2つで、9回に2点を失ったものの、強豪相手に堂々の結果。「緊張せず楽しみながら投げてそういう結果につながって、すごく自信につながりました」と振り返る。

ノーシードで挑む神奈川大会は立花学園−西湘の勝者と、2回戦で対戦する。「どっちも強いですし、それに…」。2回戦を勝つと、3回戦で対戦する可能性のある高校の中に「横浜商」の名もある。「厳しい戦いとは思います。でも全力で挑めるので。いい相手だと思います」と臆さない。

夢がプロ野球とは言わない。「あんまり上を見すぎると、足をすくわれそうなので」。各校意気揚々の神奈川を、等身大で戦う。【金子真仁】