<ボクシング:日本スーパーフェザー級タイトルマッチ10回戦>◇20日◇エディオンアリーナ大阪第2競技場

挑戦者の同級1位・奈良井翼(24=RK蒲田)が、ど根性のTKO勝ちで新王者となった。

王者・原優奈(29=真正)を立ち上がりから、積極的に攻め抜いた。4回にカウンター気味の左フックであごを打ち抜き、ダウンを奪う。続く5回はワンツーの右ストレートでダウンを奪い、立ち上がったところに猛連打で2分10秒、レフェリーストップに持ち込んだ。奈良井の戦績は13勝(10KO)2敗、2度目の防衛に失敗した原は14勝(8KO)3敗1分け。

勝利の瞬間、奈良井は両手を突き上げ、飛び跳ねて喜びを最大級に表現した。22年9月に当時の王者・坂晃典に挑み、3回TKO負けした。「1年半、このタイトルをとるためだけにやってきた。チャンピオンは強かった。途中、俺のパンチが効いてないのかと思ったぐらい。本当にうれしい」と涙声で語った。

大阪市東淀川区の出身。バリバリの地元で、王者側を上回る大声援を受けた。「人生初のベルトを守っていきたい。これで世界に向けたスタートラインに立てたと思っている。浮かれることなくやっていきたい」。新王者は新たな夢をふくらませた。【実藤健一】