立ち技打撃格闘技のK−1を離れ、ONEチャンピオンシップと複数試合契約を結んだキックボクサー野杁正明(31=TEAM VASILEUS)が21日、都内で女子総合格闘家・平田樹(24)と合同練習を公開した。

同じアパレルブランドがスポンサーということで知り合った2人は、6月8日にバンコクのインパクト・アリーナで開催される「ONE167」にそろって出場する。野杁はフェザー級(−70・3キロ)キックボクシングで強豪シッティチャイ・シッソンピーノン(32=タイ)と、平田はアトム級(−52・2キロ)MMAでビクトリア・ソウザ(26=ブラジル)と戦う。

野杁と平田はこの日、別々に練習を公開したのち、2人でマススパーを行った。直前に野杁の迫力満点のミット打ちを見て「怖い」と話していた平田だが、野杁にタックルを仕掛けるなど、ちゃめっ気たっぷりに楽しんで練習した。

その後の囲み取材で野杁は、シッティチャイ戦に向け「本当に調子もいいですし、けがもないんで、過去最強の野杁正明が当日は見せられるんじゃないかなと思ってます」と自信を見せた。

タイで試合をするのは中学生の時以来という野杁は「僕はONEデビュー戦ですし、いろんなことを含めてアウェーなので、そこを全部楽しんで。(1月に有明アリーナでグレゴリアンに負けた)シッティチャイの復帰戦って思われがちなんですけど、あくまで野杁正明のONEデビュー戦という試合だと、僕は思ってるんで。それを当日、みなさんにお見せできたらと思ってます」と話した。

野杁はONEの舞台を選んだことについて「本当に世界トップの団体だと思いますし、その中でも僕が戦うフェザー級というのは本当に世界のトップが集まっている階級なんで。世界最強を目指す上では通らないといけない道ですし、挑戦していきたいと思ったので。そこのてっぺんを取るだけかなというふうに思っています」と説明した。

野杁が1番最近、敗れたのが22年6月「ザ・マッチ」での海人戦。野杁は「1人倒さなければいけない選手はいますけど、お互いが思う世界一を取ってから交われればいいと思っているので。とりあえず日本人はもういいですね。今、立ち技を見てもONEが僕の中でも世界一だと思いますし、盛り上がっている階級ですし、盛り上がっている団体なので、僕がチャンピオンになって(海人に)『挑戦してもいいよ』と言いたいです」と将来的な展望について説明した。

野杁は最後に「日本の怪物がONEでも通用するっていうことを証明するんで、ぜひ楽しみにしておいてください」とファンに呼びかけた。【千葉修宏】