<総合格闘技:UFC303大会>◇29日(日本時間30日)◇米ネバダ州ラスベガスT−モバイルアリーナ

「歓喜のイヤァオ!」総合格闘技界のホープ鶴屋怜(22=THE BLACKBELT JAPAN)が判定勝利でUFCデビューを飾った。

カルロス・ヘルナンデス(30=米国)との同級5分3回に臨み、3−0(29−28×3)の判定勝ちを収めた。UFCと親会社が同じWWEの中邑真輔がセコンド入り。勝利を知ると中邑ポーズで一礼し、オクタゴンに入ってきた中邑と両腕をクロスするポーズで「イヤァオ!」と歓喜した。

サウスポースタイルの鶴屋は1回、左足を取ってテークダウンに成功。バックを取られて投げられたが、膝十字固めで反撃し、再びテークダウンを奪った。2回のテークダウンで先制した鶴屋がグラウンドでも上になってヒジや両拳を駆使した攻撃を展開。パワフルなヘルナンデスに手を焼き、少し疲労のみえた3回はグラウンド勝負で上に乗られ、苦戦を強いられたシーンもあったが、鶴屋が試合全体を掌握していた。退場時には「ごめんなさい、判定で」と口にしたものの、堂々のUFCデビュー戦勝利、プロデビューから区切りの10連勝を飾った。

鶴屋は23年から約1年間かけてUFCとの契約権を目指して戦うトーナメント、ROAD TO UFCシーズン2のフライ級を制覇した。通常、実績などでナンバーシリーズ、ファイトナイトと2区分される現在のUFCで、いきなりトップのナンバーシリーズに抜てきされるのは異例だった。さらに2万人収容可能な本場ラスベガスのビッグ会場T−モバイルアリーナでのでデビュー戦が組まれることは大きな期待の表れ。そんな大事な舞台で、鶴屋は確実にUFC初白星をつかんだ。