無敗の格闘家でプロボクシングWBA世界バンタム級7位の那須川天心(25=帝拳)が世界ランカー対決に向け、上々のスパーリングを披露した。20日、東京・両国国技館で同級4位ジョナサン・ロドリゲス(25=米国)とのバンタム級超契約体重10回戦を控え、4日、東京・新宿区の所属ジムで練習を公開。先月下旬から招聘(しょうへい)した練習パートナー、WBO同級3位&IBF同級4位クリスチャン・メディナ(24=メキシコ)との2ラウンドのスパーリングで安定感ある重心からの破壊力の増した左ストレートなどをクリーンヒットさせた。

世界ランキングで格上となるロドリゲスは昨年11月、元WBA世界スーパーフライ級王者カリド・ヤファイ(英国)に1回KO勝利している強敵。今回、ロドリゲスと世界ランキングでも同等以上のメディナらとのスパーリングを続けているものの、那須川は「相手は結構、(パンチを)振ってくる。1回から気が抜けない。ボクシングですけど、MMA(総合格闘技)よりのパンチで打ってくるだなあと。そこはしっかり距離と自分のタイミングと間合いをぶらさずに倒していくことがポイント」と警戒心を強めた。

国内スパーリングで海外から呼んだ練習パートナーとしては過去最強とも言えるメディナと拳を交えていることで、自身の新たな発見もあったと明かした。那須川は「近い距離でもトレーニングしてもらう機会も増えたけれど、オレって結構、打たれ強いなと思いましたね。だからと言って安心しているわけではないけれど。見えているパンチをもらう分には大丈夫。見えないパンチをもらうと本当にすぐに倒れてしまう。思い切らず、何がきても大丈夫にしている」と口にした。

ボクシング転向4戦目となる世界ランカー対決は16日後に迫った。那須川は「どんどんスタイルも質も変わっている。どんどん進化して、お客さんもファンの方も同じ階級の世界ランカーの人たちが『そろそろ那須川天心やばいな』と思ってもらえる試合になるかなと思う。期待してもらっていい」と自信に満ちた表情を浮かべていた。【藤中栄二】