<明治安田J1:G大阪3−1川崎F>◇19日◇第15節◇パナスタ

センターバック(CB)2人の得点を含む今季初の3ゴールで、ガンバ大阪が川崎フロンターレを下した。

前半26分に先制を許したが、2分後には左サイドで得たFKのチャンスに、FW宇佐美貴史(32)のキックからDF中谷進之介(28)が頭でわずかにさわってゴール右へ。「感覚的には僕のゴールか(宇佐美)貴史くんのゴールかわからなかったけど、僕のゴールになって良かった」と笑った中谷のG大阪加入後初得点で、即座に試合を振り出しに戻すことに成功した。「守備が大崩れしない分、点を取れれば流れは来る。今までセットプレーでボールに触れていないデータも出ていたので、ここから脅威にさせたい」。中谷はここからのさらなる得点量産に意欲を見せた。

後半に主導権を握ったG大阪は、後半25分には両翼を担ったMFウェルトン(26)とMF山下諒也(26)のカウンターから得たCKから追加点を決めた。宇佐美の蹴った右CKから、DF福岡将太(28)がニアサイドでドンピシャヘッド。自身J1初ゴールとなる逆転弾で、勝利を引き寄せた。CBの2選手で決めた2ゴールに福岡は「CBが取ったと言うよりは、チームで取ったイメージ。今は得点力が課題になっているけど、セットプレーで取れたことで『チームで取ることが一番』と再確認できた」と話し、チーム一丸となった結果であることを強調した。

福岡がゴール後に見せたガッツポーズのようなパフォーマンスは、義母が出場したことがある「ベストボディジャパン」でのポージングだったという。

家でサッカーをした時に一緒にまねしていた息子に向けてのポーズだった。「息子から『パパいつ点取るかな?』と言われていたので、取れたことはすごくうれしかった」。父親の顔を見せた福岡は続けて「ハグして、ちゃんと決めたよと言って、動画を何回も見せます」と笑顔で話した。

G大阪のCBでは、DF三浦弦太(29)が右ひざ前十字靱帯(じんたい)断裂、右ひざ内側半月板損傷で今季絶望となっているが、この試合前のホテルでのミーティングでは、その三浦からのメッセージが届いた。そこにあったのは「来年ACL(アジア・チャンピオンズリーグ)に行きたい。行けるように僕も準備します」という言葉。福岡は「ひたすら、がむしゃらに戦ってその舞台に連れて行ってあげることができれば(三浦のリハビリも)報われるだろうし、そこを目指してチームひとつになって頑張っていきたい」。ともに戦ってきたCBの2人がこの試合で得点したことは、三浦の思いに応えるものにもなった。

この日の勝利で勝ち点を25に伸ばしたG大阪は、4位に浮上。気は早いが、来季のACL出場が狙える位置まで上がってきた。【永田淳】