頼れる司令塔が戻ってくる。J2清水エスパルスの元日本代表MF乾貴士(35)が、仕切り直しとなる26日のホーム水戸戦で7試合ぶりの先発復帰を目指す。18日の前節横浜FC戦で戦列復帰。約1カ月ぶりの公式戦出場となったが、試合は0−2で敗れて連勝も「7」で止められたが、自身を再出発の起爆剤とする。リーグ前半戦も残り3試合。「全部勝って終わりたい」と3連勝での首位ターンを誓った。

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チームを盛り上げる甲高い声が響き渡った。22日は静岡市内で調整。乾はウオーミングアップのジョギングから先頭を走り、オフ明けのフィジカルトレーニングも意欲的にこなした。過酷なメニューに悲鳴を上げながらも、チームメートを鼓舞。ボールを使ったゲーム形式ではキレのある動きで復調をアピールした。練習後は「ホンマにしんどい」と振り返ったが、表情には充実感が漂っていた。

4月のいわき戦で相手選手と接触し、負傷。けがした箇所は明かさず、約1カ月間の離脱となった。自身が不在だったチームは7連勝を飾り、首位を堅持。その中で戦列復帰した前節横浜FC戦は後半途中から出場するも、チーム状況を好転させられなかった。乾は「流れを変えられなかったし、俺のミスから点も取られたので」。悔しい思いは次戦にぶつける覚悟だ。

光明はある。横浜FC戦翌日の19日はJ3松本と練習試合を行った。乾は先発出場し、1得点をマーク。「体のキレは戻ってきている」と自信を見せた。次戦での先発出場は流動的。それでも「俺が出た方が強いと思ってもらえるようにプレーで見せていきたい」と練習でのアピールを誓う。

リーグ前半戦も残り3試合で、現在首位。再び連勝街道を走っていくためにはホームで迎える水戸戦が重要になる。「自分どうこうよりも、勝つことが全て」と乾。与えられたタスクをこなし、止まった勢いを再び加速させる。【神谷亮磨】