7月26日のパリ・オリンピック(五輪)開幕まで、6日で50日前となった。各競技で続々と代表内定選手が発表される中、注目を集めるのが団体球技だ。日本は全7競技で出場権を獲得。自国開催を除けば1932年ロサンゼルス五輪以来、92年ぶりの快挙となる。現時点で五輪切符を得た各競技の注目選手を紹介するとともに、全ての団体球技出場につながった背景をひもとく。

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2大会連続6回目・女子サッカー 熊谷紗希(33=ローマ)

熊谷の実績はすでにレジェンドの領域にある。20歳で11年ワールドカップ(W杯)優勝メンバーに。米国との決勝では、PK戦でラストキッカーを務めてゴール左に決めた。12年のロンドン五輪銀メダル、15年W杯準優勝となでしこ黄金期を中心選手として経験。クラブでは欧州女子チャンピオンズリーグを5度制した。

W杯優勝戦士が代表から離れる中、「低迷期」もチームを引っ張った。16年のリオデジャネイロ五輪出場を逃し、女子サッカーの露出は一気に減った。自国開催で予選のなかった21年東京五輪は8強で散り、北朝鮮とのパリ五輪アジア最終予選前には「(女子サッカーの)試合をやってることも知られない状況になる。未来のためにも、世界で戦うなでしこをみんなに見てもらえる機会を逃してはいけない」と訴えてチームを鼓舞した。

若返ったなでしこジャパンでも存在感は際立つ。20代前半〜中盤のチームメートと挑んだ昨夏のW杯では全試合にセンターバックで先発して5試合3失点の堅守を支えた。W杯後には、オプションとして中盤で起用される機会も増やすなど、幅を広げている。「サキさんのために」と仲間が口をそろえるパリで、大輪の花を咲かせる。【佐藤成】

◆熊谷紗希(くまがい・さき)1990年(平2)10月17日、北海道生まれ。宮城・常盤木学園高2年時に日本代表初選出。09年の筑波大進学と同時に浦和入り。11年にドイツ1部フランクフルトに移籍し、以来海外でプレー。17年から代表主将。173センチ、63キロ。

<展望>女子サッカー最強国の米国が3大会ぶりの優勝を目指す。同種目の五輪採用以来、4度の世界一に輝くなど他を圧倒する。対抗は昨年W杯で優勝したスペインか。前回自国開催で8強に終わった日本は12年ロンドン大会以来12年ぶりのメダル獲得を狙う。