スペイン1部リーグのレアル・マドリードは21日、ドイツ代表MFトニ・クロース(34)が今夏の欧州選手権後に引退することを発表した。

Rマドリードとの契約は6月30日までとなっていたため、MFモドリッチとともに去就が注目されていた。そんな中、1年間の契約延長が間近とみられていたが、最終的にプロキャリアに終止符を打つ決断を下した。

また、クロースも自身のインスタグラムで、「2014年7月17日、Rマドリードでの入団発表の日、サッカー選手として、何よりも人間としての僕の人生を変えた日。世界最高のクラブでの新たな人生の始まりだった。10年後の今日、シーズン終了とともに、この人生は終わりを迎える。この成功に満ちたエキサイティングな10年間を決して忘れることはないだろう!」と引退を表明し、これまでお世話になった人々に感謝を述べた。

そして、「この決断は僕の現役選手としてのキャリアが、今夏の欧州選手権後に終わることを意味する。いつも言ってきたように、Rマドリードは僕にとって最後のクラブになるだろう。今日、僕の頭と心の中でこの決断にふさわしいタイミングを見つけられたことをうれしく思っているし、誇りを感じている。僕の野望は常に、トップレベルの状態でキャリアを終えることだった。この瞬間から僕の心には1つの大きな考えしかなく、それから僕を引き離すものは何もない。15度目の欧州チャンピオンズリーグ(CL)優勝を目指そう!!! アラ、マドリード、それ以外には何もない!」

クロースは34歳の誕生日を迎えた今季、シーズン序盤はやや苦しんだものの、最終的に絶対的な地位を確立して、再び中盤の要として君臨。ここまで公式戦46試合に出場して、1得点8アシストを記録している。

クロースのRマドリード加入は14年夏。それ以降の10年間レギュラーの座を守り続け、これまで公式戦463試合に出場し、28得点98アシストを記録。その間、欧州チャンピオンズリーグ(CL)4回の優勝を含む計22個のタイトルを手に入れた。

その前に所属したバイエルン・ミュンヘンでは、欧州CL1度の優勝を含む11タイトルを獲得。さらに14年にはドイツ代表の一員としてワールドカップ(W杯)ブラジル大会優勝を果たしている。

また、個人として、FIFA FIFPROワールドイレブンに3度選出され、韓国で開催された07年のU−17W杯ではゴールデンボールを受賞した。

Rマドリードのフロレンティーノ・ペレス会長は引退表明したクロースについて、「Rマドリードの歴史において最高の選手の一人であり、このクラブは今も、そして今後もずっと彼のホームであり続けるだろう」と言及している。

今回の引退表明により、Rマドリードのユニホームを着たクロースの勇姿を拝めるのは、25日のスペインリーグ最終節ベティス戦、6月1日の欧州CL決勝ドルトムント戦の2試合のみとなった。(高橋智行通信員)