オリンピック(五輪)8大会でアーティスティックスイミング(AS)日本代表を率いた井村雅代氏(73)が5日、日本選手権の行われた東京アクアティクスセンターで、パリ五輪を目指す日本代表にエールを送った。

この日、会場の大型ビジョンで紹介されたW杯パリ大会チームFR優勝の映像を受けて「リフトが全然ダメ」と厳しく指摘。それでも「足技はさすが。日本らしくて、すばらしかった」と高い技術に笑顔をみせた。

シンクロナイズドスイミングとして五輪に初採用された84年ロサンゼルス大会から日本代表コーチを務め、中国代表を率いた2大会をはさんで21年の東京大会まで10大会連続して五輪で指揮した。日本をメダル常連国に育てながらも、東京ではデュエット、チームともに4位。だからこそ、日本のメダル奪還に期待して「パリはチャンス。東京よりも可能性がある。ここで(メダルを)取らないと」と話した。

東京大会後に五輪代表の指導から離れ、パリにも「行く予定はない」と話したが、やはり84年からすべての大会を知るだけに気持ちは抑えられない様子。「チケットがとれないから」と言いながらも「できれば、行きたい」と笑った。

この日の日本選手権には、井村コーチの愛弟子で日本人としてソロで初の世界選手権優勝を果たした乾友妃子さん(33)がエキシビションでサプライズ登場。代名詞でもある東儀秀樹の「鳳凰(ほうおう)伝説」と美空ひばりの「川の流れのように」でスタンドを酔わせた。「パリにはチームメートも出場します。とても応援しています」と、こちらもエールを送っていた。